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彼女はボクに発情しない
第12章 夏の初めの多重旋律
☆☆☆
ルリが、私を励ますためにクレープ屋に誘ってくれた。大半の女子と同じで私も甘いものは大好きだった。
別に高山くんのことばかり話していたわけではなかった。ルリとなんということないおしゃべりをして、おいしいクレープを食べて、それで私の気持ちはだいぶ上昇した。
最寄り駅についた。ルリと私は乗る方向が逆なので、ここでバイバイだ。ちょっとだけ名残惜しくて改札前でおしゃべりがまた始まってしまう。
「あれ、なんだろ?」
ルリが指をさす。その先ではハッピを着た女性がチラシを配っていた。ハッピの合わせの部分には「須賀大社」とあった。
「お祭りかな?」
うーんと、ルリが口に指を当てる。彼女が何か考えごとをしているときのクセだ。
「ちょっと行ってみよう」
またしても私の返事を聞くことなく、ルリが手を引く。チラシを受け取ってみると、それには『須賀大社古伝祭 夏祭り』とあった。やっぱり夏のお祭りのようだ。
「こんなんあるんだね?知らなかったわ」
あーあ、告白がうまくいけば、このチラシにあるカップルみたいに高山くんと二人で浴衣着てお祭りとか行けたのかな・・・。
すん、と沈んだ顔をしてしまっていたらしい。バン、とルリに後ろから背中を叩かれる。
「な~にしょげてんのよ!『ごめん』って言われたって、『ボクは奏ちゃんが好きなんだ』って言われたわけでもなければ、『君とはお付き合いできない』って完全に振られたわけでもないんでしょ?諦めたくないってんなら、何度でもチャレンジしようよ」
二カッとルリが笑う。
チラシを見ると、『願いを込めて縁を結ぶことで、人の心や想いをつなぎ、留めることができる』とある。どうやら、須賀大社は縁結びの神様らしい。
ルリが、私を励ますためにクレープ屋に誘ってくれた。大半の女子と同じで私も甘いものは大好きだった。
別に高山くんのことばかり話していたわけではなかった。ルリとなんということないおしゃべりをして、おいしいクレープを食べて、それで私の気持ちはだいぶ上昇した。
最寄り駅についた。ルリと私は乗る方向が逆なので、ここでバイバイだ。ちょっとだけ名残惜しくて改札前でおしゃべりがまた始まってしまう。
「あれ、なんだろ?」
ルリが指をさす。その先ではハッピを着た女性がチラシを配っていた。ハッピの合わせの部分には「須賀大社」とあった。
「お祭りかな?」
うーんと、ルリが口に指を当てる。彼女が何か考えごとをしているときのクセだ。
「ちょっと行ってみよう」
またしても私の返事を聞くことなく、ルリが手を引く。チラシを受け取ってみると、それには『須賀大社古伝祭 夏祭り』とあった。やっぱり夏のお祭りのようだ。
「こんなんあるんだね?知らなかったわ」
あーあ、告白がうまくいけば、このチラシにあるカップルみたいに高山くんと二人で浴衣着てお祭りとか行けたのかな・・・。
すん、と沈んだ顔をしてしまっていたらしい。バン、とルリに後ろから背中を叩かれる。
「な~にしょげてんのよ!『ごめん』って言われたって、『ボクは奏ちゃんが好きなんだ』って言われたわけでもなければ、『君とはお付き合いできない』って完全に振られたわけでもないんでしょ?諦めたくないってんなら、何度でもチャレンジしようよ」
二カッとルリが笑う。
チラシを見ると、『願いを込めて縁を結ぶことで、人の心や想いをつなぎ、留めることができる』とある。どうやら、須賀大社は縁結びの神様らしい。