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彼女はボクに発情しない
第12章 夏の初めの多重旋律
「ルリちゃん・・・一緒にお祭りいかない?」
この際、神様にでも頼んでみようか。
「お、いいね!縁結びって書いてあるしなー。縁起いいかも。行こう、行こう!」

たしかにルリの言うとおりだ。何もかも完璧に終わったわけじゃない。もしかしたら、私の勘違いってこともありうる。どうせ一度は玉砕した身だ。これ以上失うことなんてありはしない。神頼みでもなんでもやってみよう。

少し元気が出た。手を振って、ルリと別れる。なんなら、お祭り、浴衣も着て行っちゃおうかな。

高山くんも来てたりして・・・。
まあ、それは妄想だとしても、自分を元気づけるイベントがあってもいいではないか、と思いながら、ホームを目指して少しだけ力強い足取りで階段を登っていった。

☆☆☆
神様が結んだ縁。絡み合う糸。
始まったばかりの夏。空は夕暮れ色に染まっていく。
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