この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
彼女はボクに発情しない
第17章 恋敵協奏曲
【Love Rivals League Concerto】
真夏の日差しが照りつける。空は雲一つなく、抜けるような青空とはこのことだろう。今日も真夏日が予想されている。地面に日傘をさした私と、横に並ぶ陽太の影が色濃く落ちる。
短い生涯を精一杯生きているセミたちのうるさいほどの合唱が響く。
「あー!あぢー」
陽太が暑そうなので、少しでもと思い、日傘をさしかける。本当はピッタリくっついて歩きたいくらいだけど、そうすると学校で噂になるとやらで陽太があまりいい顔をしない。
「ありがとう、陽太。夏期講習付き合ってくれて」
今日から夏期講習だ。私の家はけっこう教育熱心なので、私は当然のように大学受験を見据えた夏期講習の予定が入っていた。私が行くと言ったら、陽太も同じ予備校の講習を入れてくれた。ただし、陽太は予習復習が中心の標準コースだ。
さっきから、浮かない顔をしているのは多分、『なんで夏休みなのに勉強せにゃならんのだ』と思っているからだろう。ごめんね、陽太。
ここで、『付き合ってくれた埋め合わせに、デートしよ♡』とか言えればいいんだけどな。そして、あわよくば・・・。
キス・・・しちゃったりとか?
いけない、いけない、妙なことを考えていたら、顔が火照ってきてしまった。慌てて手で顔をあおぐ。
「奏も暑いの?」
変なときに陽太は声をかけてくる。顔を近づけないでよ。赤いのがバレちゃう。
ふいっとそっぽを向くかたちになる。
ちょうどそのときに予備校の玄関口に到着した。
「じゃあ、わ・・・私は二階だから」
「ああ、また帰りな・・・」
良かった・・・バレてないよね?
胸を抑えて一呼吸する。
真夏の日差しが照りつける。空は雲一つなく、抜けるような青空とはこのことだろう。今日も真夏日が予想されている。地面に日傘をさした私と、横に並ぶ陽太の影が色濃く落ちる。
短い生涯を精一杯生きているセミたちのうるさいほどの合唱が響く。
「あー!あぢー」
陽太が暑そうなので、少しでもと思い、日傘をさしかける。本当はピッタリくっついて歩きたいくらいだけど、そうすると学校で噂になるとやらで陽太があまりいい顔をしない。
「ありがとう、陽太。夏期講習付き合ってくれて」
今日から夏期講習だ。私の家はけっこう教育熱心なので、私は当然のように大学受験を見据えた夏期講習の予定が入っていた。私が行くと言ったら、陽太も同じ予備校の講習を入れてくれた。ただし、陽太は予習復習が中心の標準コースだ。
さっきから、浮かない顔をしているのは多分、『なんで夏休みなのに勉強せにゃならんのだ』と思っているからだろう。ごめんね、陽太。
ここで、『付き合ってくれた埋め合わせに、デートしよ♡』とか言えればいいんだけどな。そして、あわよくば・・・。
キス・・・しちゃったりとか?
いけない、いけない、妙なことを考えていたら、顔が火照ってきてしまった。慌てて手で顔をあおぐ。
「奏も暑いの?」
変なときに陽太は声をかけてくる。顔を近づけないでよ。赤いのがバレちゃう。
ふいっとそっぽを向くかたちになる。
ちょうどそのときに予備校の玄関口に到着した。
「じゃあ、わ・・・私は二階だから」
「ああ、また帰りな・・・」
良かった・・・バレてないよね?
胸を抑えて一呼吸する。