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彼女はボクに発情しない
第17章 恋敵協奏曲
☆☆☆
予備校のエントランスで奏を待っていると、二階から駆け降りてくる人影があった。
あれは・・・、優子?!

なにか慌てた様子だが、ボクに気づくと、立ち止まって、頭を下げる。

「ごめんなさい。私、高山くんを困らせてしまって・・・。」

そして、そのまま走り去ろうとするので、ボクは慌てて止めた。
「ちょっと待って!」
思わず手を掴んでしまう。
気づいてからぱっと離れたけど・・・。

「待ってよ、どっちかというと、ボクのほうがごめんなさいだよ」
デートの途中ですっぽかすなんて、本当に失礼だと思う。
彼女はうつむいたまま、もう一度ボクの方を振り返った。

「だって・・・高山くんは、四宮さんとお付き合いしていたんだよね?なのに、私は、横入りみたいに・・・。」
また、彼女は深々と頭を下げる。そして顔を上げたとき、みるみる優子の目から涙が溢れていく。
拭われない涙は、そのまま頬を伝ってポタポタと床に落ちた。

「あ・・・あれ?こ・・・こんな風になるはずじゃなかったのに・・・。」
両の手をぐっと握りしめて顔を真っ赤にする。ボクはボクでそんな彼女の様子にさらにテンパる。

「えっと、お付き合いって・・・。奏は幼馴染で・・・」
そりゃあ、奏のことは大好きだけど、お付き合いはしていない・・・、と思う。
奏の気持ちを確かめたことがない。

「いいんです。なにか事情があって、お付き合いしているのを隠してるんだよね?私、頑張って高山くんのことを、ちゃんと・・・あき・・・あきらめる・・・から」
うつむいてまたポタポタと涙を流す。

な・・・なんだ、この状況は・・・。

視界の端に、階段から奏が降りてくるのが見えた。彼女も気づいたのか、顔を伏せたまま走り去ってしまう。その後を奏が慌てて追いかけた。

「奏!」
「ごめん!陽太、待ってて!!」

え?待っててって?ど・・・どうするつもり?
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