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彼女はボクに発情しない
第18章 誘惑のポルカ
陽太は陽太で、優子ちゃんがちょっとウルルっと見つめるとすぐにデレるし、胸を押し付けられたときも顔を赤くして喜んじゃって・・・。

そんな激しい優子ちゃんのアプローチに負けじと、私も陽太に身体を密着させんばかりに近づかざるを得ない。陽太が意外と『匂い』に敏感なのは知っていたので、コロンも工夫したりした。でも、それも優子ちゃんはすぐに分かってしまったらしく、同じように匂いにも気を使い始めている。
そして、今日は、唇のツヤを強調するような素敵なリップを付けてきている。女の子の私ですらいいなと思ってしまうようなつやつやリップに仕上がっている。

あ・・・あざとい。

大体、私は陽太と幼馴染ではあるが、陽太のことをそんなに深く知らない、ということをここ数日で嫌というほど思い知らされた。

陽太は何が好き?
どんな女の子の仕草が好きで、どんな言葉をかけられたいと思っている?
女子のタイプは?

今まで私はそんなこと関係なく陽太と一緒にいた。あえて努力してそうしていたわけではなく、幼いころから一緒にいることが当たり前だったのだ。

なんか・・・負けそう。
いや!そういうわけにはいかない。だって、陽太が優子ちゃんにあんなことや、こんなことしちゃったら・・・、ダメダメ!絶対ダメ!

よし、今日の午後はこっそり私もナチュラルメイク系のお化粧品を探しに行こう。
とは言っても・・・化粧とかあんまりしたことないしな・・・。お母さんに聞いたら?いや、聞けないな・・・。

こういうとき、お友達がいないことが悔やまれる。
お友達がいれば色々相談できるのに・・・。
しょうがない、店員さんにでも聞いてみよう・・・。

全く授業の内容が頭に入ってこない。ぼんやりと窓の外を見てしまう。
ああ、早く帰りにならないかな。

陽太と一緒に、帰りたい・・・。
そんなことばかり思っていた。
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