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彼女はボクに発情しない
第19章 キスに焦がれる輪唱曲
【Canon for those who yearn for kissing】

「お待たせ♡陽太くん」
約束の時間の5分前、駅前の銅像の下で待っていると優子が小走りにやってきた。彼女は見事なデートファッションに着替えてきていた。

白のノースリーブで少しフリルのついた可愛らしいトップスに薄いカーディガンをまとい、下はデニムのショートパンツでややふっくらとした足が美味しそうに見えている。足元は白いベルトのサンダルだ。夏らしい爽やかな出で立ちだ。
ヘアスタイルはこの間のデート同様、おろしてきている。やっぱりこっちの方が何倍も女の子っぽい。
肩掛けのバックに日傘をしまう。

そのままごく自然にボクの腕にしがみつくように密着してくる。

えええ!!!

驚いているボクを例のウルルとした目で見つめてくる。
「デート・・・って、思ったら、甘えたくなっちゃった♡」

な・・・なんですと!
ガツンと頭に隕石が落ちてきたような衝撃。
確かに、この間、『好きです』と言われたので、好意は分かっていたが、こんなに積極的に来られると・・・はわわわ・・・。

頭から湯気が出そうだ。
耳まで赤くなるのを感じる。

ギュッと腕を抱きしめるようにされると、柔らかなおっぱいがTシャツから出ている生の二の腕にムニムニと当たる。
心地・・・いい。

優子って、こんなに積極的だったっけ!?

「映画の前に、ご飯食べよ♪こっちこっち!」
そのまま、グイグイとボクの腕を引く。連れられていったのは、オムレツがメインのレストランだ。そこそこ並んでいる。待合の席に横並びになりながら、優子とおしゃべりしていると、本当に恋人同士みたいでほんわかした気持ちになる。
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