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彼女はボクに発情しない
第19章 キスに焦がれる輪唱曲
「ご来場の皆さまにお知らせします。14時20分の回、入場が開始となります」
アナウンスが流れ、ハッとする。

あれ?ボク、今何しようとしていた?

「入れるみたい・・・。い・・行こうか」
優子はちょっとはにかんだように笑ったが、うんと頷いて立ち上がった。

映画の前にポップコーンと飲み物を仕入れて、ボクらはスクリーンに向かう。
劇場が暗くなり、予告編が始まる。程なくして本編スタートだ。

この間、優子と映画を見たときはほとんど映画の筋が頭に入らなかったが、今回もそうだった。主人公の男性民俗学者が、バディの女性刑事と連続殺人犯を追いかけているうちに、見知らぬ村の習俗に関わる若干ホラーな謎を解き明かす羽目になる、みたいなストーリーだということだけはわかった。

途中、優子は怖くなると、ボクの腕にしがみついたり、ボクの足に手を乗せてきたりするので、それが気になって気になってしょうがなかった。

☆☆☆
ついに男性学者が、村の生贄の儀式から女性刑事を救い出した。

二人はあくまで仕事上の関係と割り切っていたが、ラストシーンで男性学者が大学の屋上で謎を解き明かしたとき、本当は、互いの気持ちに気づいていた。

『じゃあ、もし、また困ったことがあったら、頼るかも知れません』
女性刑事はあまり自分に素直ではなく、このまま別れたくないくせに、わざとそっけない態度をとる。
『ああ・・・、まあ、僕の所に君が来るような事件が起きないことを祈っているよ』
男性学者もまた、恋愛に不器用だった。
『それって、もう私には会いたくないってことですか?』
女性刑事は、言ってしまってから、ハッとするが、もう遅かった。学者が目を見開く。
『いや・・・その・・・そういう意味じゃなくて』
言い訳するが、彼女の足は動かない。その場から立ち去り難いのだ。
『もちろん・・・君が、僕の授業を受けに来るなら、大歓迎だ。』
男性学者がゆっくりと近づいてくる。
『授業って?民俗学の?・・・どんな習俗について教えてくださるの?』
刑事も歩み寄る。
互いに触れ合わんばかりに近づき、向き合った。
『そうだな・・・、接吻と性愛の儀式について・・・なら、今からでも』
そのまま男性学者が顔をそっと近づける。
『素敵な授業ですね・・・教授』
そのまま二人は熱い抱擁と、口づけを交わす・・・。
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