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彼女はボクに発情しない
第19章 キスに焦がれる輪唱曲
☆☆☆
ゲームポリスは、体感アトラクション型のゲームセンターであり、若いカップルに結構人気があったりする。

意外と勝負好きで、負けず嫌いな奏はこういった白黒つくゲームを好む傾向にある。
この間の卓球勝負も燃えていたしなー。

事前に奏が予約していたとやらでスムーズに入場することができた。入ってからは特にどう回るという決まりはなく、好きなアトラクションに並んで楽しむというわけだ。

とりあえず、レーシングゲームに挑戦してみることにした。
しかし、さすがゲームポリスにあるだけのことはある。近くのゲーセンにあるようなレーシングゲームとはレベルが違う。
挑戦者は二人一組で8つのブースに分かれて座るのだが、それがほぼ個室のようになっているのだ。周囲360度が(まあ、床は別なので、270度くらいか?)フルにCGで再現されていて、本当に自分が異国のレースに参加しているように感じる。ついでに4Dとやらで、振動や風、水たまりを超えると水しぶきまで吹き付けるというスペシャル仕様だ。

レーシングゲームなのだから二人一組でなくても良い気がするが、それはそれ、カップルを対象としているが故なのだろう。一人はドライバーで一人はオペレーターというわけだ。オペレーターは、ナビを見ながら道を指示したり、別の機体を攻撃したりなどを担当するのだ。

奏をドライバーにするのはなんとなく男がすたる気がするので、ドライバーはボク、オペレーターを奏として、ボクらはゲームをスタートした。

パリ・ダカールラリーをテーマにしているようだ。ボクらはまず車体を選択する。それから、装備品の選択、このあたりは奏が決めてくれた。そして、いよいよスタートである。
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