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彼女はボクに発情しない
第20章 三日月が導く静かなる助奏
夜景を見ているとき、本当は『私は奏ちゃんのPIHを知っている』と言おうとした。それを言えば、私に有利に話を進められるはずだった。

例えば、「私は奏ちゃんの病気を知っているけど、それをちゃんと理解している」と言ったりすれば、陽太くんは私の方になびきやすくなるだろう。
例えば、もっとズルく「私見ちゃったんだ、奏ちゃん・・・病気なの?」とか匂わせれば、彼をコントロールすることだってできたかもしれない。

でも、奏ちゃんは私に正々堂々と自分の病気のことを言ってくれた。それを材料にするのは卑怯な気がした。それに、そんなことしたら、きっと嫌われてしまうだろう。

だから、代わりに抱きしめてほしいとお願いした。
お願いしたというより、私の方から抱きついた、っていうほうが正しいかな。

私達はルールで、『キスしてと言ってはいけない』『自分からキスしたのはノーカン』というのを付け加えていた。だけど、抱きしめてもらっちゃいけないとは言ってない。

陽太くんに抱きしめてもらったのは、気持ちよかった。気持ち良すぎて、愛おしすぎて、最後に本音が出てしまった。

『明日、奏さんとデートに行っても・・・また、私とこうして一緒にお出かけしてくれますか?』
やっぱり出てしまった。私の弱い気持ちが。どうしても、奏ちゃんに勝てる気がしない。
奏ちゃんは『自信がない』なんて言っていたけど、絶対にそんなことはない。だって、黙っていればいいのに、私に自分の病気について言ったり、陽太くんにアプローチをするチャンスをわざわざ作ったり。

「そんなの・・・自分が好かれているっていう絶対の自信がないとできないよね・・・」

ポツリとひとりごちする。
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