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彼女はボクに発情しない
第20章 三日月が導く静かなる助奏
キスをした後、奏は、だんだん落ち着いてきた。ボクの方もだんだん落ち着いてきて、そして、肩に手を置いているのが無性に恥ずかしくなり、のけてしまった。

このまま、抱き寄せて、キスできたら・・・。
一瞬、そんな思いもよぎったが、なんだか、それは弱みに付け込むような感じがしてできなかった。

キスをした後、ボクらはまた黙って砂浜を歩いた。
奏がそっと、手を握ってきたので、手を繋いで歩いた。

奏の指の細さ、繊細さに改めてびっくりした。
キュッと何も言わずに握りしめてきた奏の手が、まるで震えているようだったけど、ボクはなんて言っていいか分からなかった。

そのまま、ゲームポリスの最寄り駅について、自然と手を離してしまったのが、ちょっと残念だった。

キスして・・・良かったのかな?
多分、嫌がってはいなかったと思うけど・・・。

奏はボクのこと、どう思っているんだろう?
それはいくら考えてもわからないことだった。

優子のことを思い出す。
彼女はボクのことが好きだ。それは間違いない。今までの人生で、あんなに真っすぐ好きだと言ってくれた女の子なんてボクの周りにはいなかった。
もちろん、今日、奏といて、楽しかった。
でも、優子といるときの自分もとても自然体だった。正直、心地よかった。

自分の、気持ちはどうなのだろう?

ボクは奏を守りたい。あの笑顔をずっと、ずっと、守りたい。
でも、優子といる時間も、とてもあったかかった。

こんなことで悩む日が来るなんて、考えても見なかった。

「あー!わかんねー!!」

ムクリとベッドの上に起き上がって、頭を掻きむしる。
こういう考える作業は好きじゃない。

結局、ちゃんとした結論を出すことは、ボクのポンコツな頭ではできなかった。
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