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彼女はボクに発情しない
第23章 物想う秋への間奏曲
☆☆☆
陽太が、寝落ちした。

よだれを垂らして、幸せそうな顔で眠っている。
最後、寝言のように『5分だけ』と言っていた。なんだか、起こすのは可哀想な気がする。

あ、またピクってした。相当疲れているのだろう。

そっと陽太のおでこにかかった前髪を避けてやる。おでこが少ししっとり汗ばんでいる。頑張ったんだね、陽太。

どうしよう。大分消耗したのだろうから、ベッドに横にしてあげたい。いや、本当は起こして自分の部屋に帰してあげたほうがよく眠れるのだろうけど・・・。

帰したくない。

この幸せそうに眠りほうけている顔を見ていると、いつまででも見ていたくなるし、なんとなれば、ほっぺにキスしたり、首筋の匂いかいだり、色々いたずらしたくなっちゃう。

ちょっと・・・しちゃおうかな。
そこまで考えて、ブルブルと頭を振って気を確かに持つ。いけない。私も相当眠いらしい。妙な考えが浮かんでしまった。

でも、とりあえず、5分〜10分くらいはこのまま休ませてあげよう。
私は陽太が空調で冷えすぎてしまわないように、そっと薄い上掛けを肩にかけた。いつも、私が使っているやつだけど、いいよね?

そのまま、静かに下に降り、シャワーを浴びる。部屋は空調を効かせていたので、汗をかくことはないが、やはりシャワーは浴びたい。そして、歯磨き、洗顔、肌の手入れをする。そんなことをしていたら、あっという間に30分くらいは経ってしまった。
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