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彼女はボクに発情しない
第23章 物想う秋への間奏曲
☆☆☆
【9月2日 午前3時57分 成田国際空港】

「ああ!あっついなー。噂には聞いていたが、ここまでとは・・・」
6年ぶりの日本は湿気が高く、そして、暑かった。記憶の中では9月はもう少し涼しかった気がするが、これも温暖化の影響だろうか?

ケチケチして安い便を取ったせいで、随分早朝に到着してしまった。時間のせいか、空港の到着ロビーはガランとしている。これなら、そこらで寝てても怒られないだろう。電車かバスの始発が出るまでは時間を潰さないと。

あまり早く家についても、父さんや母さんは寝ているだろうから、迷惑かもしれない。
あ、いや、もう今日から奏の新学期が始まっているから7時頃なら起きているかな?

奏に最後に会ったのは彼女がまだ小学生のときだった。今は高校生になっている。時折お母さんから写真を送ってもらっているので、どんな風になっているかは見ていたが、きっとこの目で見るとより成長を感じられることだろう。

あと、数時間で会える愛しい妹のことを思い出し、僕の胸は高鳴る。
「待ってろよ、奏!奏の大好きなお兄ちゃんが、今、行くからね!!」

妙に高いテンションの声が、ガランとした成田空港のロビーにこだました。
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