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彼女はボクに発情しない
第5章 保健室のブルース
やっぱり陽太は怪我を!?

「うーん・・・多分、大丈夫だな。一応保健室に運んで、止血して、様子を見たい。誰か、こいつを背負って来てくれ」

飯長先生が言うと、ほとんどクラス中の男子が俺が!僕が!と手を挙げる。
私も手を上げかけたけど、あまりのことに気後れして、あげかけた手を引っ込めてしまった。

「おー、こいつ人気あるな。じゃあ、お前と、お前、二人で頼む。一人が足を、一人が上半身を抱えて・・・そうそう、そんな感じだ。そのまま頼む。えーっと、あと一人・・・」
飯長先生が見回す。今度こそ・・・

「あ・・・わた・・」
私が、と言おうとした時、先生が「保健委員、ついてきてくれ」と言った。倉橋さんが席を立ち、同行することになった。

ガックリと私は席についた。ダメだ・・・私・・・本当に・・・。
陽太が心配でたまらない。ついていきたい。でも・・・でも・・・。

彼らが行った後も、私はチラチラと教室の戸口を未練がましく見てしまう。

「四宮さんも心配なのですか?」
壬生先生が声をかけてくれた。はい、と私はうつむく。
「ああ、四宮さんは高山くんとは幼馴染でしたね・・・。もしかしたら親御さんに連絡するかもしれませんから、四宮さんも保健室に一緒に行ってもらってもいいですか?」

え?

私は顔をあげると、先生を見た。先生は優しそうに微笑むと、私に早く行くように促してくれた。
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