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彼女はボクに発情しない
第5章 保健室のブルース
☆☆☆
「あら、あなたも来たのね。ちょうどよかったわ」
保健室に行くと、男子二人が陽太をベッドにおろしているところだった。ぐったりとした陽太を倉橋さんが支えている。

「わ、私が・・・」
思わず、手を出し、陽太を支えようとしてしまう。
「え・・・四宮さん?」
倉橋さんに驚いたように言われて初めて私は自分が突然出過ぎた真似をしてしまっていた事に気づいた。

「ああ、倉橋さん。手が空いたならひとっ走り職員室に行って、佐伯先生に高山の家に電話するように伝えてくれ。頭打ってるから、一応迎えに来てもらおう。」
よかった・・・。なんとなく、飯長先生に言われて私が倉橋さんと役割を変わったような感じになった。

「じゃあ、俺等はもう、戻るな」
陽太を運んでくれた男子二人が教室に戻っていった。

私は陽太の上半身が横にならないように支えようとしているが、陽太はぐったりしていて力を入れていないとすぐに倒れてしまいそうだ。本当に大丈夫なのだろうか?

「おお、そのまま、そのまま」
私が支えていると、飯長先生が陽太の頭に手際よく包帯を巻いてくれる。これでやっと陽太を横にすることができる。そっと、陽太を布団に横たえた。その様子を見て、飯長先生は一言「よし」と言うと、自分も職員室に行くから様子を見ていてほしいと私に言い残して出ていった。

こうして、保健室には私と横たわった陽太だけが残された。

胸が少し上下している。良かった・・・、ちゃんと息をしている。額が少し汗ばんでいるような気がしたので、ハンカチを取り出して拭う。

なんであんなふうにひっくり返ったのか想像もつかないが、心配させないで欲しい。あなたにもしものことがあったら、私はどうしたら良いの?

さっきの音を思い出してブルッと身震いをした。血が出ていると言われたときには、背筋が寒くなった。でも、こうしてきちんと手当されて、寝かされている様子を見ると、大丈夫そうだと、安心できた。

陽太の顔を眺めているうちに、陽太がひっくり返った後の教室での大騒ぎを思い出した。
みんなが陽太を心配していた。みんなが陽太を保健室に運びたがった。
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