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彼女はボクに発情しない
第25章 波乱の奇想曲
☆☆☆
奏の家で響が帰ってきたことを祝ってパーティーが開かれた。そこに、風香と、何故かボクもお呼ばれしていた。
「あー!いらっしゃーい!風香ちゃん?大きくなったね〜可愛くなった、うんうん」
にこやかに風香を出迎える響。ボクの方を一瞥すると「てめえがなんで来るんだよ」と低い声で脅す。いやあ、別に来たくてきたわけでは・・・。

「私が呼んだのよ!お兄ちゃん」
「奏〜!こんなクソ陽太なんか呼ばなくていいじゃん?お兄ちゃんがいるじゃないか〜」
「お兄ちゃん!」
奏に強く言われて、少しシュンとしたようだ。ざまみろ、シスコン。

響が見ていない隙を突いて、奏がそっとボクに物騒なことを耳打ちする。
「ごめんなさい。もし、陽太を呼ばないと、お兄ちゃん、陽太のことこっそり殺しに行っちゃうかもしれないから」
それなら、自分が二人を見ている方が安全だろう、という判断のようだ。

怖すぎる。

「ごめんね〜。風香ちゃんと奏へのお土産は、明日くらいに航空便で着くんだ。あれこれ買ってたら荷物に入り切らなくなっちゃってさ〜。」
どんだけの量なのか、想像するのが怖い。奏の両親も心なしか顔がひきつっている。

一応パーティーは奏と奏の母、それから、うちの母が作った料理を持ち寄って豪勢な感じで進行した。ボクと響の殺伐とした歴史をあまり良く覚えていないらしい風香だけは「響お兄ちゃんすごいね〜」と響の話に無邪気に相槌を打っていた。
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