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彼女はボクに発情しない
第25章 波乱の奇想曲
響の迷惑行為は朝にとどまらない。
授業中、ふと窓から外を見ると、白いTシャツに黒ジャケット、黒パンツで巨大な双眼鏡を構えて教室を見ている人物が目についた。

不審すぎる。

ボクは休み時間に迷わず警察に不審者通報する。ちらっと見ていると、3人位の警察官に囲まれて激しく言い合いをしている黒尽くめの男が目についた。数分間言い合いを続け、そのまま警察官に引っ張られるようにして連れて行かれた。

放課後、一応図書館の窓から校門の様子を窺ってみる。いないようだ。
ついでに昇降口を駆け上がり、屋上近くの窓から裏門の周辺を見渡す。
いない。

日本警察の優秀さに感謝する。

ホッとして教室に戻ると、奏と優子が話をしていた。
あれ?いつの間にあんなに仲良くなったのだろう?

遠目に見ても笑い合いながら話をしている。見渡すと今日はルリがいない。ああ、そうか、ルリは今日、部活だ。彼女はバド部だった。

何がどうしてどうなったのかよくわからないが、奏が女の子の友達と楽しそうにしているのは見ていて安心する。響もいないようだし、ボクは離れて見ていればいいかな。

あの二人の間に入るのはちょっと気まずいと思ったのもあった。
先回りするべくボクはそっと教室を後にした。
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