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彼女はボクに発情しない
第27章 組曲:月下の夢 ”叢雲”
☆☆☆
私と奏ちゃんは、ここ数日、仲が良くなった。
夏休みでの神社の一件、そして、決定的だったのは、この間の保健室での件だった。あのときは顔から火が出るほど恥ずかしかったが、次の日も奏ちゃんは普通に私と接してくれようとした。よく考えれば、あれは奏ちゃんにとっては日常(?)だ。だったら、私が恥ずかしがってしまったら彼女を傷つけるのではないだろうか、と思った。
そして、なんとなく二人で秘密を共有しているという感じになったのも事実だ。顔を合わせて、ちょっと顔が赤くなったときなどは、「ああ、あのときのこと思い出した?」「うん、優子ちゃんも?」と目と目で分かり合う感じがした。
同じ人を好きになった。
同じ秘密を抱えている。
そんな気持ちが、二人を前よりも親しくさせたのは間違いなかった。
敵わないと思いつつも、やっぱり奏ちゃんは私にとって恋のライバルだ。だけど、同時に、大事な親友になりつつあった。
いつか、ルリと三人で仲良くしたい、そう思って機会を伺っているのだが、まだルリには奏ちゃんと仲良くなったことを上手く伝えられずにいる。
理由はふたつ。
ひとつは、自分のコミュニケーション能力の問題。どうやって持ちかけたらいいのか、悩んでしまったのだ。
そして、もうひとつ。こっちのほうが深刻なのだが、ここ数日、奏ちゃんの様子がおかしいのである。
まず、笑わなくなった。
そして、いつも緊張して肩に力が入ってる感じだし、顔色もすごく悪い。
一度、体調が悪いのかと聞いたとことがあったが、特にそんなことはない、と否定された。
でも、明らかにおかしいし、とても心配だ。
私と奏ちゃんは、ここ数日、仲が良くなった。
夏休みでの神社の一件、そして、決定的だったのは、この間の保健室での件だった。あのときは顔から火が出るほど恥ずかしかったが、次の日も奏ちゃんは普通に私と接してくれようとした。よく考えれば、あれは奏ちゃんにとっては日常(?)だ。だったら、私が恥ずかしがってしまったら彼女を傷つけるのではないだろうか、と思った。
そして、なんとなく二人で秘密を共有しているという感じになったのも事実だ。顔を合わせて、ちょっと顔が赤くなったときなどは、「ああ、あのときのこと思い出した?」「うん、優子ちゃんも?」と目と目で分かり合う感じがした。
同じ人を好きになった。
同じ秘密を抱えている。
そんな気持ちが、二人を前よりも親しくさせたのは間違いなかった。
敵わないと思いつつも、やっぱり奏ちゃんは私にとって恋のライバルだ。だけど、同時に、大事な親友になりつつあった。
いつか、ルリと三人で仲良くしたい、そう思って機会を伺っているのだが、まだルリには奏ちゃんと仲良くなったことを上手く伝えられずにいる。
理由はふたつ。
ひとつは、自分のコミュニケーション能力の問題。どうやって持ちかけたらいいのか、悩んでしまったのだ。
そして、もうひとつ。こっちのほうが深刻なのだが、ここ数日、奏ちゃんの様子がおかしいのである。
まず、笑わなくなった。
そして、いつも緊張して肩に力が入ってる感じだし、顔色もすごく悪い。
一度、体調が悪いのかと聞いたとことがあったが、特にそんなことはない、と否定された。
でも、明らかにおかしいし、とても心配だ。