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彼女はボクに発情しない
第27章 組曲:月下の夢 ”叢雲”
そういったわけで、さり気なく観察をしていたのだが、今日、陽太くんが、2限目の休み時間に廊下にへたり込んだ奏ちゃんの手を引いて昇降口に消えていくのを見てしまった。
何をしようとしているのかは明白だ。
性処理・・・。奏ちゃんをイカせようとしている。
ただ、奏ちゃんは言ってなかっただろうか。発情の頻度は大体、月に数回くらいだと。
でも、ここ数日で、少なくとも陽太くんと奏ちゃんが連れ立っていなくなったのは、今日で二回目だ。陽太くんは知らないかもしれないが、偶然にも私がしてしまった性処理を含めれば、すでに2週間足らずのうちに3回は発情していることになる。
しかも、それは学校で私が見ている限りにおいて、である。
とてもじゃないけど、月に数回という頻度には収まらないように思う。
なにか・・・根拠はないけれども、よくないことが起きている気がしてならない。
ちらっと時計を見ると、次の授業が始まるまであと2分もない。
でも、やっぱり気になる。
私は意を決した。
「ルリ・・・、ごめん。事情は後でちゃんと説明する。・・・奏ちゃんが、具合悪いみたいなの。私、心配だから、見に行くね。もし、先生になにか言われたら、適当に言い繕っておいてほしいの」
ルリは一瞬ぽかんとした顔をしたが、私が多分すごい真面目な顔をしていたからだと思う。黙って頷いてくれた。
こういう、さっぱりした所、すごい好きだよ、ルリ。
心のなかでもう一度、『ちゃんと後で説明するから』と謝る。そして、教室を出て、彼らが吸い込まれていった昇降口に向かう。
上?それとも、下?
多分、普通に考えたら具合が悪いなら下、保健室に向かう。
でも、おそらく違う。二人は人のいない方、上、屋上に向かったに違いない。
追いかけてどうする、というところまでは考えていなかった。とにかく、何か悪いことが起きているなら、奏ちゃんのために何かができるかもしれない、と思ったのだ。
階段を上がると、屋上に続く最後の階段の手前の踊り場に人の気配があった。私がそっと近づく。
何をしようとしているのかは明白だ。
性処理・・・。奏ちゃんをイカせようとしている。
ただ、奏ちゃんは言ってなかっただろうか。発情の頻度は大体、月に数回くらいだと。
でも、ここ数日で、少なくとも陽太くんと奏ちゃんが連れ立っていなくなったのは、今日で二回目だ。陽太くんは知らないかもしれないが、偶然にも私がしてしまった性処理を含めれば、すでに2週間足らずのうちに3回は発情していることになる。
しかも、それは学校で私が見ている限りにおいて、である。
とてもじゃないけど、月に数回という頻度には収まらないように思う。
なにか・・・根拠はないけれども、よくないことが起きている気がしてならない。
ちらっと時計を見ると、次の授業が始まるまであと2分もない。
でも、やっぱり気になる。
私は意を決した。
「ルリ・・・、ごめん。事情は後でちゃんと説明する。・・・奏ちゃんが、具合悪いみたいなの。私、心配だから、見に行くね。もし、先生になにか言われたら、適当に言い繕っておいてほしいの」
ルリは一瞬ぽかんとした顔をしたが、私が多分すごい真面目な顔をしていたからだと思う。黙って頷いてくれた。
こういう、さっぱりした所、すごい好きだよ、ルリ。
心のなかでもう一度、『ちゃんと後で説明するから』と謝る。そして、教室を出て、彼らが吸い込まれていった昇降口に向かう。
上?それとも、下?
多分、普通に考えたら具合が悪いなら下、保健室に向かう。
でも、おそらく違う。二人は人のいない方、上、屋上に向かったに違いない。
追いかけてどうする、というところまでは考えていなかった。とにかく、何か悪いことが起きているなら、奏ちゃんのために何かができるかもしれない、と思ったのだ。
階段を上がると、屋上に続く最後の階段の手前の踊り場に人の気配があった。私がそっと近づく。