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彼女はボクに発情しない
第28章 組曲:月下の夢 ”朱い月”
お兄ちゃんが、何度も、何度も、イギリスに行こうと言ってくれた。
『僕が絶対に治すから』
と。

でも、いくらお兄ちゃんがいるといっても、知らない土地に行くのは、それはそれで怖い。
勇気が、出ないのだ。

「イギリス、行ってきなよ。」
「うん・・・」

私は、この時、直感的に陽太は『ボク、待ってるから』と言ってくれると思ってしまっていた。ちょっと前までは全く確信できなかったのに、ここ最近は、言われてもいないのに、陽太はずっと自分のそばにいてくれるんだ、と、思ってしまっていた。

でも・・・、

「ボクのことは、心配しなくていいからさ」
暗闇の中、少し顔を上げる。
あまりにも、期待したのと違う言葉で、一瞬意味が分からなかった。

「だから、イギリスに行って、ちゃんと病気治しなよ」

そう・・・なんだ・・・。
胸がチリチリと痛んだ。怖さじゃない、不安じゃない。他のなにか。

「うん・・・」

私は小さく、返事をすることしかできなかった。
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