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彼女はボクに発情しない
第30章 交響曲 ”彼女はボクに発情しない”
「あ!来た、来た!おーい!!」
ルリがぴょんぴょん跳ねながら手をふる。振り返ると、髪を下ろし、愛らしいメガネを掛けた優子が走ってきた。ごめんごめん、と手を合わせる。
「電車乗り間違えちゃって」
彼女が弦次やルリの輪に入ると、あっという間に昔話に花が咲く。
優子がとん、とボクの肩口を拳で小突いた。
「やるじゃん!陽太くん。・・・医学部入学おめでとう」
いっぱいいっぱい悲しい思いやつらい思いをさせたはずなのに、彼女はこうして笑ってくれる。胸が痛むと同時に、優しい気持ちにもなる。
「私は、知ってたけどさ。陽太くんなら、やるってさ」
へっへーとまた優子が笑った。相変わらずのふんわりとした温かい笑みだ。
そして、皆が話をしている中、不意に耳元に顔を寄せてきた。
「あとで、二人で話そう」
ふわりと、いい匂いがする。ボクが、好きなコロンの匂いだった。
ルリがぴょんぴょん跳ねながら手をふる。振り返ると、髪を下ろし、愛らしいメガネを掛けた優子が走ってきた。ごめんごめん、と手を合わせる。
「電車乗り間違えちゃって」
彼女が弦次やルリの輪に入ると、あっという間に昔話に花が咲く。
優子がとん、とボクの肩口を拳で小突いた。
「やるじゃん!陽太くん。・・・医学部入学おめでとう」
いっぱいいっぱい悲しい思いやつらい思いをさせたはずなのに、彼女はこうして笑ってくれる。胸が痛むと同時に、優しい気持ちにもなる。
「私は、知ってたけどさ。陽太くんなら、やるってさ」
へっへーとまた優子が笑った。相変わらずのふんわりとした温かい笑みだ。
そして、皆が話をしている中、不意に耳元に顔を寄せてきた。
「あとで、二人で話そう」
ふわりと、いい匂いがする。ボクが、好きなコロンの匂いだった。