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第6章 雨音とキスの追走曲

ボクはとろとろとした目でよだれを流しながら立っている奏を抱きしめた。

早く、イカせなくては・・・。
ボクは、奏を自転車置き場のさらに奥に押し込むようにして連れ込むと、夢中で奏のアソコを弄った。今見た光景のショックで手が震えていつものように出来ない。
それでも奏は嬌声をあげ、ボクにしがみつきながら、徐々に性感を高めていき、数分で、びくんと背を弓なりにして震わせながら絶頂に達した。

そのまま、ギュッとしばらく奏を抱きしめる。
早く、早く正気に戻って。

ビクンビクンと震える身体が落ち着いてくる。ゆっくりと力が抜け、へなへなと腰を下ろす。ボクの背中に回していた手の力も抜け、だらりと下に垂れた。

『奏・・・？』

声をかけると、ドン！といきなり突き飛ばされる。そして、そのまま彼女は目を覆い、大声で泣き崩れたのだった。

『いやー！！もう！！！いやー！！！』

もう、中学生なのに、子どものように泣きじゃくる奏を見て、ボクは何も出来ない。
ボクの失敗だ。ボクが、奏から目を離したから。

発情しているとき、奏は自分で自分のことをコントロールできない。
でも、それは、記憶がなくなることを意味しない。
全て、憶えているのだ。

自分が何を言って、何をして、そして、何をされたのか。

この、清らかな心の持ち主は、発情するたびに己の痴態をその記憶に焼きつけられ、それを嫌悪し、自らを呪うのだ。
奏にとって、今のがファーストキスだ。
それをこんな形で失うのは、耐えられないに違いない。

いつまでも、いつまでも、泣き続ける奏。
ボクは、ただ、祈りながら立ち尽くすしか出来なかった。

奏・・・奏・・・
泣かないで・・・、お願いだから、
奏・・・