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彼女はボクに発情しない
第8章 北風と太陽による諧謔曲
☆☆☆
顔の熱が引かない・・・。

風香ちゃんを玄関で見送り、自分の部屋にフラフラと戻った。思考がふわふわと中空に漂う。顔がニヤけたかと思うと、いやいやそんなことはと頭を振って真顔に戻る、そして、暫く経つとまた自然とニヤけている。

陽太が・・・私のこと・・・好き?
好きって言った?

風香ちゃんは陽太の妹だ。その子が言うんだから、そんなに外れていないだろう。
でも、でも・・・直接陽太から言われたわけでは無いし・・・。
それに、あんな淫乱女で・・・いや、でも、好きだって・・・。

頭がぐちゃぐちゃだ。どんな表情をしていいか分からない。
なんだか、今日は、いろんなことがありすぎた。感情がジェットコースターに乗ったみたいだった。

陽太とサヨナラしなきゃと思って、思いっきり落ち込んで、一人でいたら涙も出てきて、でも、風香ちゃんが陽太のことを教えてくれて、本当かどうかわからないけど、陽太が私のこと大好きだって・・・、それで簡単にすっごく幸せな気分になって・・・。

あー・・・なんか、どっと疲れた・・・。

ベッドに倒れ込む。

どちらにせよ、もし私のせいで陽太が変に悩んでいるんだとしたら、そんなのは嫌だ。

とりあえず、明日、連絡してみよう。
ちゃんと・・・謝らないと・・・。

そんな事を考えているうちに、疲れが出たのか、私の意識はすーっと闇に消えていった。
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