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人妻デッサン~絶頂に導かれた絵理奈
第14章 別れ
次の日の午後、絵理奈は原島のアトリエを訪れた。

誘われてもいないのに、ここに来るのはこれが初めてだった。

しかし、これ以上絵理奈は待つことができなかった。

家の前まで来たとき、絵理奈は異様な状況に気付いた。

巨大なトラックが横付けされ、次々に荷物が運び出されている。

見覚えのある椅子、テーブル。

画板に彫像、そして、ベッド。

「あ、あの・・・・・・・」

絵理奈は、引っ越し業者と思われる若い男に訊いた。

「引越し、なんですか?」

「見ればわかるでしょう? ただ肝心の家主さんはいないんですけどね」

彼はそういうと、すぐに家の中に入り、作業に戻った。

そんな・・・・・、そんなこと・・・・・・・・

「おたく、ここの人を知ってたの?」

背後からの突然声に、絵理奈はびくっと肢体を震わせた。

近所に住むと思われる中年の婦人が、犬と一緒にいた。

高級そうな服装に身を包んだ、化粧の濃い女性だ。

「さっきからずっと人を探すようにここに立ってるけど」

「は、はい・・・・。確か、原島さん、ですよね・・・・・・・・・」

「そうだったかしらね。とにかく、近所づきあいがない人だったから」

「えっ?」

「引越ししてきてこの家を借りたのよ、1年くらい前かな。絵の先生だとかいう噂だったけど、近所づきあいはほとんどなかったわね」

「そうなんですか」

「何をやってるかと思ったら、あんなことしてたなんてねえ」

「あんなこと?」

「あら、あなた、知らないの?」
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