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人妻デッサン~絶頂に導かれた絵理奈
第1章 出会い
「何をやってるんだ!」

素早くドアが開けられたかと思うと、絵理奈に襲い掛かっていた若い男は、瞬く間に車外に引きずり出された。

「す、すみません!」

若い男は、アスファルトの上に土下座して、そう叫んだ。

「奥さんがあまりに綺麗だったから、ずっと前から見ていたんです・・・・・・」

若者の背中が震えていることに、絵理奈は気づく。

「僕、学生なんです・・・・・。こんなことがばれたら・・・・・・・・・・」

「何を甘いこと言ってるんだ。さあ、警察に行こうじゃないか」

若者を引きずり出した男がそう言った。絵理奈は乱れた服装を懸命に整えながら、彼を見つめた。

40代半ばだろうか。ポロシャツにチノパンというさっぱりした服装は、清潔感が漂っている。

僅かに白いものが混じり始めた髪は、どこか、彼を芸術家めいた風に見せてもいた。

「待って・・・・・・、待ってください・・・・・・・」

絵理奈は思わずそう声をかけた。

「あなた、本当に反省してるのね?」

若者がおどおどしながら、顔をあげた。頬には涙がしたたり落ちている。

「ご、ごめんなさい! もう2度とこんな真似はしません!」

「君、そんなことを言ってもこちらの奥さんに」

「いいんです、それであれば」

自分が若者をどうしてかばおうとしているのか、絵理奈にはよくわからなかった。

だが、年上の女として、彼をかばわなければいけないという感情が、絵理奈のどこかにあった。

そんな風に、どうにも自分がコントロールできなくなることは、自分にだってあるかもしれないのだから。

「奥さん、本当にいいんですね?」

「は、はい・・・・・・」

救出してくれた男に、絵理奈はそううなずいた。
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