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背徳は蜜の味
第9章 人妻その九 ~映画館で痴漢されて~

ロビーに向かうと
同じ映画館で上映されていたアニメも同時刻に終了したのか、ロビーはちびっこたちで溢れかえっていた。
そんなちびっこに行く手を阻まれて
あの隣に座っていた男の背中を見つけた。

「待ちなさいよ!」

ちびっこを掻き分けて彼に追い付くと
逃がしてたまるものかと男の手を握った。

「な、何ですか?」

その低音ボイス…
間違いない、隣に座っていた男だ。

「何ですかじゃないわよ!
ちょっとこっちに来なさい!!」

まるで逃がさないとばかりに
彼と腕を組んで駐車場に停めてあったマイカーの中に引きずり込んだ。

「ちょっと、何ですか貴女は?
拉致でもするつもりなんですか?」

男はあくまでも痴漢したことを認めようとはしない。

「さんざん私の体を弄くり回して
何もなかったかのように逃げ帰るつもりなの?」

警察に突き出すために彼を確保したのではない。
体を弄くり回されて、このままではモヤモヤしたままで体の疼きが収まりそうもなかった。

「責任取ってよね!」

久仁子は助手席に座らせた彼の体に覆い被さると、素早くリクライニングのレバーを引いた。
「うわっ!!」
背もたれが急に倒れたものだから
男も一緒に寝転ぶように倒れた。

「せ、責任って…幾らぐらい払えば許してくれるんですか」

「わかってないのね
お金が欲しいなんて一言も言っていないわ
そうね、強いていうなら…体で支払ってもらおうかしら?」

「か、からだ?…」

「鈍いわね!私の体に火を着けた責任を取ってもらいたいのよ!」

映画館の館内とは逆に
久仁子は積極的な女に豹変して運転席から助手席の男の体の上に乗っかって行った。
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