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背徳は蜜の味
第10章 人妻その十 ~補導した少年と禁断の関係~
香苗が三角公園に足を踏み入れ、
その姿を見た常連的な若い子たちは
「やべっ!香苗が来た!!」と騒いで蜘蛛の子を散らすように香苗から逃げるように走り去った。
しかし今夜は、地べたに座り込んで缶ビールを呑んでいる一人の男の子だけが香苗が近づいても、逃げる様子もなく堂々とビールを喉に流し込んでいた。
「こんばんは、ちょっとお話いいかな?」
できるだけ刺激を与えないように
高圧的な態度を見せずに、近所のおねえさん的な雰囲気で香苗は彼の隣に腰を降ろした。
「別にあんたと話したいとは思ってないんだけどね」
彼の足元には何本もの缶ビールの空き缶が転がっている。
彼はゴソゴソとコンビニのレジ袋を漁って
中から新しい缶ビールを取り出し、
プシュっと音を立ててプルトップを引いた。
「君さあ、見るからに未成年だよね?
お酒ってさ、二十歳にならなきゃ呑んじゃいけないのよ」
「うるさいなあ…
じゃあ、俺を補導するわけ?
ああ、したけりゃすればいいじゃん」
ただいきがっている訳じゃないのは
彼の目を見れば明らかだった。
この子は大人からの愛情に飢えているんだわ
長年の経験から
彼が単なる非行ではなく見境なく誰かにかまってもらいたいのだとピンときた。
「補導とかじゃなくて、君とじっくりお話がしたいだけよ」
「ふぅ~ん…話ねえ…
ま、こんなとこじゃゆっくりと話も出来ねえしさ、話をしたかったら付いてきなよ」
そう言うと彼はフラフラと立ち上がって
千鳥足で先に歩き始めた。
「待って!待ちなさいよ」
香苗は慌てて彼の腕を取った。
「ほら、補導する気、満々じゃん」
「違うわ、フラフラしてるんだから道路に飛び出さないか心配なだけよ」
逃げられては困るのと、本当に交通事故にでも遭遇してはいけないと、香苗は彼としっかりと腕を組んで歩きだした。