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背徳は蜜の味
第10章 人妻その十 ~補導した少年と禁断の関係~
けっこう長い距離を一緒に歩いた。
少しずつ酔いが覚めてきたのか、彼の歩調もしっかりしてくる。
「どこまで連れていく気?」
仲間の半グレのアジトにでも連れ込むつもりかしら?
それなら好都合だわ。
仲間も一同に叩きのめしてあげるわ。
でも、もし、仲間が武器を持っていたらどうしよう…
鉄パイプぐらいならかわせるかも知れないけど、
ナイフの類いの刃物や、それこそチンピラに譲り受けたハジキ(ピストル)などを持っていたら万事休すだわ…
そんなことを想像すると、香苗の身体中から汗が吹き出し始めた。
「ここにしようぜ、ここなら静かでゆっくりと話も出来るしさ」
彼が立ち止まってココにしようと言った建物は
ラブホテルの入り口だった。
「ここって…ラブホテルじゃない」
「二人っきりで話そうじゃないか
スナックやバーでもいいけど、なかなかうるさい所だし、ここなら本当に二人っきりで話せるじゃん
それとも、おねえさんはこういうところは初めて?」
「バ、バカにしないでよ!ラブホテルなら何度も利用しているわ!」
威勢のいい台詞を言ってみたけれど
本当は夫と結ばれるときに一度だけ利用しただけで、妙にドキドキしてしまう。
まさか、この子、私とセックスをやりたがっているの?
そんなわけないか…
この子にしてみれば三十路近くの自分なんて「おばさん」の領域そのものだろうし…
怖じ気づくのも癪なので、
「いいわ、ここでゆっくりとお話しましょ」と
半ば香苗が連れ込むような形でラブホテルに足を踏み入れた。