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背徳は蜜の味
第15章 人妻その十五 ~性感マッサージ~
「あの~…ごめんください…」
店内には穏やかなBGMが流れていて
微かにアロマの香りが漂っていたので
辛うじてそのお店が営業中なのだと認識できた。
「あの~、すいません!!」
返事がないものだから、
二度目は少し声を大きくして訪ねてみた。
「は~い…少々お待ちくださいね」
そのような返事があってから
さらに5分ほど待たされた。
『なんだか無愛想ね…やっぱり帰ろうかしら…』
入り口のドアに手をかけて帰ろうとしたその時、
奥のカーテンが開いてマッサージ師らしき青年が顔を覗かせた。
「おや?見かけないお顔ですね?
もしかしてご新規さん?」
「ええ…散歩の途中でお店を見つけたものだから
少し興味があったので寄ってみました」
「それはそれは、ありがとうございます」
そんな会話をしていると、
彼が姿を現したカーテンの向こうから
一人の上品なマダムが出てきた。
「ありがとう先生…
お陰で体も心もすごく軽くなったわ」
マッサージを受けていたお客様なのだろう。
その顔は湯上がりのように上気していて
ウットリとした表情をしていた。
「あら?あなたもマッサージを受けにいらしたの?」
マダムはチラッと紗由理の方を見て
一瞬だけだが、そのわずかな瞬間に紗由理の頭の先からつま先まで舐めるように品定めする目付きをした。
その居抜くような眼差しから
あなたのような若い子が来るような所じゃないのよと下げすさむような眼差しだった。
「また、体と心が疼いたらお越しください」
「ええ、本当はもっとゆっくりしたかったのだけれど、お客様がいらっしゃったのだから仕方ありませんものね」
ほら、おどきなさい!
そんな態度でマダムは紗由理の脇をすり抜けて帰っていった。