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背徳は蜜の味
第21章 人妻その二十一 ~デリヘルでお隣さんに指名されて~

ファミレスで時間潰しをする事小一時間…
その間、加奈子から連絡が来ないかと何度もスマホを見てみるが音沙汰なしだった。
『こりゃ、うまく撒かれてしまったかな?』
事務所によっては客との恋愛はご法度というところもあるので、それはそれで仕方ないのかなと諦めかけた。

その時だった。

スマホが激しく震えた。

「もしもし…」

期待半分、あきらめ半分で雄作は電話に出た。

- もしもし、加奈子です…
今はまだあのホテルの近くですか? -

「ええ、そうです」

- だったら、そこから電車に乗って5駅先の○○駅の改札で待ってますから…来てね… -

『マジか!?マジでプライベートでデート出来るのかよ!?』

雄作は急いで支払いを済ませて電車に飛び乗った。

指定された駅の改札に向かうと、
腕が千切れんばかりに大きく手を振って加奈子は雄作を向かえてくれた。

「遠くまで呼び出してごめんなさいね…
事務所のテリトリーだと見つかったらヤバイから…」

そう言って改札を出た雄作に腕を絡めて
まるで恋人同士のように二人は駅前のラブホテルに入った。

ホテルに入ると雄作は、ずっと我慢してきた欲情をぶつけるように、部屋に入るなりすぐに加奈子を抱きしめた。そして、何の迷いもなく加奈子の唇に吸い付いた。

加奈子も先程とは全く違い、
彼が舌を差し込むと、待っていたかのように舌を絡ませてくれた。

デリヘル嬢と客という、さっきまでのように嫌がる素振りも見せずに加奈子と雄作は長年付き合ってきた恋人のようにディープキスを楽しんだ。

妻が実家に戻り、出産という人生最大の大仕事をしようとしているのに、雄作の心はすでに独身時代に戻っていた。

そして、加奈子もまた人妻であることを払拭するかのように雄作の腰に手を回してしっかりと抱きついた。

この瞬間、二人の心は結ばれた。
あとは、正真正銘、体が結ばれるのみだった。
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