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背徳は蜜の味
第32章 人妻その三十二 ~人妻ナースの夜の看護~
翌週、非番の時に満子は思いきって彼の自宅を訪ねてみた。
「あら、けっこう高そうなマンションに住んでるのね…」
セキュリティもしっかりしているらしく、エントランスで彼の部屋番号を押すと、ピンポーンとチャイムのあと「はい、どうぞ」と元気がなさそうな彼の声がした。
ロックが解除されてエレベーターホールに向かう扉が自動で開いた。
彼の部屋まで行き、ドアホンを鳴らすと「どうぞ、鍵は開いているから」と言われて「お邪魔しま~す」と部屋に足を踏み入れて満子は驚いた。
高級マンションなのに、室内は安アパートのような散らかりようで、俗に言われる汚部屋そのものだった。
「お母さん、掃除してくれないの?」
満子を迎え入れた彼は、心なしかやつれているようだった。
「母ちゃんは今、愛人さんと旅行中なんだ」
「まあ!怪我人を置いて遊びに行っちゃってるの?」
綺麗に片付けてあげたいけれど、
勝手な事はしないで下さいと、後々、文句を言われても困るので、取り敢えず食べっぱなしのデリバリーの空き容器だけでもゴミ袋に詰めてあげた。
「あなた、ちゃんとお風呂に入ってるの?」
髪の毛もボサボサで無精髭さえも生えっぱなしだったので満子は尋ねてみた。
「ほら、浴室で滑って転ぶのも怖いからさ、ここんところ風呂には入っていないんだ。
でも、大丈夫です、風呂に入らないと死ぬわけでもないし」
「ダメダメ!不衛生なのが一番よくないのよ」
浴室もカビだらけだったのを綺麗に掃除して
彼の衣服を脱がせてあげた。
「一人で出来ないことはちゃんとお母さんに言わないとダメよ」
「言っても無駄だから…だったらいわないほうが母ちゃんの機嫌もいいしね」
なんて、不憫なのかしら…
満子は目頭が熱くなるのを我慢して、彼を介助しながら浴室に連れていった。