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背徳は蜜の味
第5章 人妻その五 ~デリバリーの男の子と~

その夜…

夫の昭吉が秋子を求めてきた。
製造業で現場仕事で体がクタクタのはずなのに
夜になると元気になるようで
眠りに落ちかけていた秋子の尻を撫でてくる。

「あなた、明日も早いんでしょ?
夜更かしは体に毒よ」

尻を撫でていた手が前に回って股間を弄ろうとし始める。
秋子は拒んでいるのよとばかりに
その手をやんわりと払いのける。

昭吉にしてみれば
妻の手料理が食べれなくても我慢しているのは
秋子の体が抜群だからこそなのだ。
これでセックスレスにでも突入すれば
離婚に向けて気持ちが加速しかねない。

「なあ…ちょっとだけでいいんだ
ちょっとだけ抱かせてくれよ」

払い除けられた手は
性懲りもなく今度はおっぱいをまさぐろうとしてくる。

夫婦なのだから求められれば応じてあげないこともないのだけれど、秋子の心の中にはすでにデリバリーの青年で一杯で、夫に抱かれることは青年に対して裏切ってしまう気がしていた。
それほどまでに恋心は彼に陶酔していた。

「俺が求めているんだ!
こっちを向いて股を開けよ!!」

いつになく昭吉の言葉が命令口調になっていた。
夫婦といえども主従関係ではない。
夫が求めてきても妻が拒めば
それは立派に不同意性交渉が成り立つはずだ。

「やめてよ!いつからそんな上から目線で物を言うようになったのよ!」

もうこうなると同じベッドで寝ることさえ嫌悪感を抱き、秋子はベッドを抜け出すと一緒に寝たくないとばかりにソファに寝転んだ。

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