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背徳は蜜の味
第5章 人妻その五 ~デリバリーの男の子と~
夕刻の5時…
いつもの時間にいつものように爽やかな笑顔を振りまいてデリバリーの男の子がやってきた。
「ありがとう、ご苦労様…」
なるべく笑顔で彼を向かえたが
この料理をどうしようかと悩んでいた。
「遅れちゃいけないと階段を掛け登ってきました~っ!」
よくよく見てみると男の子は額から滝のような汗を流していた。
「まあ!エレベーターを使った方が早かったでしょうに」
「それが点検だとかで動いていなかったんですよね」
新陳代謝が良いのか彼の汗は止まらない。
いや、むしろ先程までよりも激しく汗が吹き出していた。
「ねえ…君はこの後、配達の予定があるの?」
「いえ、今夜はお宅が最終なので
後は下宿に戻ってゆっくりするだけです」
「それなら丁度いいわ
部屋に上がんなさいな、汗で濡れて気持ち悪いでしょ?シャワーで汗を流せばいいわ」
「いえ、そこまでしていただくのも悪いですし…」
「それにね…せっかく夕飯を届けてもらったけど
生憎と夫が仕事の関係で泊まりになっちゃったのよ…
一人で食べきれないし、良かったら夕飯を一緒に食べてくれない?」
そこまで言われると、いつも贔屓にしていただいている手前、無理に断り切れなかったようで
「じゃあ…お言葉に甘えさせてもらいますね」と
秋子しか部屋にいないのに「お邪魔しま~す」と
奥の部屋に向かって挨拶をして、秋子にすすめられるまま初めて部屋に足を踏み入れてきた。
「へえ~…、ここが奥さんのお宅ですか…
さすがに主婦なんですね、小綺麗に片付いてますよね」
部屋をキョロキョロと物珍しそうに眺めながら
秋子が差し出したタオルで気持ち良さそうに汗を拭った。