この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第115章 妖異幻怪(よういげんかい)
宝生前がこう言うのも、もっともである。敵の狙いが実際のところ、なんなのかがわかっていないが、こちらを鞍馬山に誘い出そうとしているのは間違いない。仕掛けてくる時点であちらの準備は万端と考えるのが普通だ。

この時点で宝生前と御九里にとって、最も大事なことは『敵に気づかれないこと』である。向こうがどのような監視体制を取っているかは不明であるが、全時刻、全方位に渡って沖津鏡で『視て』はいないということは推測できている。だとすると、侵入者を検知するためには沖津鏡以外の方法、例えば何らかの呪的もしくは現代科学的な設備、もしくは単純に見張り人員の配置などがあるはずなのだ。

それらを宝生前は持ち前の式神『野づ霊』で検知して躱そうとしており、御九里は自身の霊力知覚を使って感知し、すり抜けようと考えていた。いずれにせよ、一か八かに近い行為ではある。

二人が二人とも、綾音の命に責任を感じているのだ。もちろん二人だけではない。土御門以下、陰陽寮の全幹部も同じ気持ちだった。

それが、この一見無謀とも言えるミッションの遂行を後押ししていた。

御九里は主として樹上を、宝生前は地を駆けていく。それでもほとんど足音や気配らしきものを感じさせないのは、二人が受けてきた訓練の賜物と言えるだろう。

草も木も眠り込んだかのように息を潜める夜明け前の森の中には、虫たちの密やかな鳴き声だけが響いていた。
/1668ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ