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恋人岬には噂があった
第2章 第2話
「ちょっと待ってくれ。いま湯に浸かるから」
野上は慌てて湯船に入ると、サッシに向かいあぐらをかき、腕組みして背筋を伸ばした。
「開けていいぞ」
サッシがちょっと開いて、そのすき間から床にしゃがんだ由香の顔が覗いた。
「お父さんシャンプーの途中だったんだ。でも大事件だよ。もしかして、上さまってお父さんのこと? 奈々さんって方からメールが届いてる。これはお父さんに春が来たってこと?」
と由香は楽しそうに、にこにこして言った。
「もしかしたら、スーパーでレジしてる森下さん? あの方はお父さんと同じ独身で、頑張り屋さん。それに明るくて私大賛成」
それを聞いた野上は、由香は勘違いしていると思った。二人の名前は同じだが、森下ではなく、坂井なのだ。ということは、まだ脈があるということである。野上の頭に、目を細めた含み笑いの奈々が浮かんでいる。
「名前は同じだけど、スーパーの森下さんとは違う。まあ、もういいんじゃないの」
「頭泡だらけにして、なんかデレデレしてる。そうだ、メール読んであげようか?」
由香はそう言って、隠していたスマホを、野上のほうにさっと向けた。
「待て、それは待て、それはだめだ。絶対に読むんじゃない」
「もう、冗談だよ。私がそんなことするわけないじゃない。早くお風呂から上がったら?」
由香はくすくす笑った。サッシが静かに閉まると、立ち上がる影が見えた。でも、どこの奈々さんだろう、と声が聞こえて脱衣所のドアが閉まった。
ドアが閉まると、野上は反り返る自分の陰茎を握った。太いのはいつものことだが、奈々の名前を耳にしただけで、亀頭はエラまで張りつめ、陰茎はいつもより硬く感じた。
野上は湯船から出ると、天を仰ぐ亀頭に眼をそそいだ。この亀頭が、股を開いた奈々の性器に少しづつ侵入していくのだ。彼女は痛がるだろうか──。
野上はバージンを浮かべて、勢いよくシャワーを浴び始めた。シャワーの湯が亀頭に当たり、四方八方へと弾け飛んでいく。だが、亀頭でカバーしきれなかった湯は、 亀頭の裏を流れる谷のせせらぎのごとく、穏やかに下り、反り返る陰茎を蛇行しながら伝っている、と野上はそんなことも浮かべていた。
風呂上りの野上はいつもバジャマだった。
野上は慌てて湯船に入ると、サッシに向かいあぐらをかき、腕組みして背筋を伸ばした。
「開けていいぞ」
サッシがちょっと開いて、そのすき間から床にしゃがんだ由香の顔が覗いた。
「お父さんシャンプーの途中だったんだ。でも大事件だよ。もしかして、上さまってお父さんのこと? 奈々さんって方からメールが届いてる。これはお父さんに春が来たってこと?」
と由香は楽しそうに、にこにこして言った。
「もしかしたら、スーパーでレジしてる森下さん? あの方はお父さんと同じ独身で、頑張り屋さん。それに明るくて私大賛成」
それを聞いた野上は、由香は勘違いしていると思った。二人の名前は同じだが、森下ではなく、坂井なのだ。ということは、まだ脈があるということである。野上の頭に、目を細めた含み笑いの奈々が浮かんでいる。
「名前は同じだけど、スーパーの森下さんとは違う。まあ、もういいんじゃないの」
「頭泡だらけにして、なんかデレデレしてる。そうだ、メール読んであげようか?」
由香はそう言って、隠していたスマホを、野上のほうにさっと向けた。
「待て、それは待て、それはだめだ。絶対に読むんじゃない」
「もう、冗談だよ。私がそんなことするわけないじゃない。早くお風呂から上がったら?」
由香はくすくす笑った。サッシが静かに閉まると、立ち上がる影が見えた。でも、どこの奈々さんだろう、と声が聞こえて脱衣所のドアが閉まった。
ドアが閉まると、野上は反り返る自分の陰茎を握った。太いのはいつものことだが、奈々の名前を耳にしただけで、亀頭はエラまで張りつめ、陰茎はいつもより硬く感じた。
野上は湯船から出ると、天を仰ぐ亀頭に眼をそそいだ。この亀頭が、股を開いた奈々の性器に少しづつ侵入していくのだ。彼女は痛がるだろうか──。
野上はバージンを浮かべて、勢いよくシャワーを浴び始めた。シャワーの湯が亀頭に当たり、四方八方へと弾け飛んでいく。だが、亀頭でカバーしきれなかった湯は、 亀頭の裏を流れる谷のせせらぎのごとく、穏やかに下り、反り返る陰茎を蛇行しながら伝っている、と野上はそんなことも浮かべていた。
風呂上りの野上はいつもバジャマだった。