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恋人岬には噂があった
第2章 第2話
《野上さんの写真は私の宝物です。あと、君とか娘さんはいやです。奈々がいいです。野上さんから、奈々ちゃんって呼ばれるのも好き。
私の両親は横須賀で暮らしているんですけど、母は年に一、二度は、真弓さんと会っているみたいですよ。
野上さんの写真、いま私の近くに置いてます。あっ恥ずかしい》
野上には、おおよそのことは分かった。それに、奈々はメールでオナニーを気づかせてようとしているらしい。ちょっと強気な眼差しの奈々だが、相手の心が分かると、淫乱で甘えん坊のようである。やはり、Mっ気があるんだなと思えた。
野上は、奈々に有りのままを訊いてみようと思った。恥ずかしいことでも、メールだと答えよいと思ったからである。
《奈々、いまどこかに触ってる?》
この質問に、奈々は一気に燃え上がったのかもしれない。返信が届くまでに時間を要した。
《意地悪。知ってるくせに。以前、ショップで電話番号教えてもらっていたから、このあと電話していいですか? その前に、私のお仕事の日程教えてあげます……》
野上には、奈々の魂胆は丸見えだった。自分の意識が飛ぶまえに日程を伝えておき、話をしながら性器に触る考えのようである。携帯ショップでの奈々の担当は三店舗あった。
素早くスタンドの明かりを消して野上が待っていると、奈々から電話があった。
野上はすぐに電話に出た。奈々はちょっと待ってと言って、声が途絶えている。微かに聞こえて来る様子では、性器に触っているのかも知れない。
「──聞こえる? 私、リビングから移動して、寝室にお布団敷いて、枕もとに野上さんの写真とスマホ置いて話してる……」
奈々はいままでリビングにいたのか、と野上には納得できた。ところが、奈々の声が途切れ途切れに聞こえて来るようになった。震えるような息の音もする。太ももを開いて性器に指を這わせながら、聴かれる恥ずかしさを我慢しているのだろうか。
「──あっ、いまの私、野上さんに聞かれてしまった? 私、恥ずかしいけれど我慢できなかった」
「恥ずかしくないよ。俺は奈々の息遣いを聞きながら自分の物を握ってる。それに俺も、布団は敷く派だよ」
野上は仰向けに寝て、硬くなった陰茎を握りそう言った。すると、奈々の息遣いが遠くに聞こえ、濡れた音が間近に迫って来た。スマホを性器に近づけたようである。
(──奈々はなんてけなげで、なんて可愛いんだ)
私の両親は横須賀で暮らしているんですけど、母は年に一、二度は、真弓さんと会っているみたいですよ。
野上さんの写真、いま私の近くに置いてます。あっ恥ずかしい》
野上には、おおよそのことは分かった。それに、奈々はメールでオナニーを気づかせてようとしているらしい。ちょっと強気な眼差しの奈々だが、相手の心が分かると、淫乱で甘えん坊のようである。やはり、Mっ気があるんだなと思えた。
野上は、奈々に有りのままを訊いてみようと思った。恥ずかしいことでも、メールだと答えよいと思ったからである。
《奈々、いまどこかに触ってる?》
この質問に、奈々は一気に燃え上がったのかもしれない。返信が届くまでに時間を要した。
《意地悪。知ってるくせに。以前、ショップで電話番号教えてもらっていたから、このあと電話していいですか? その前に、私のお仕事の日程教えてあげます……》
野上には、奈々の魂胆は丸見えだった。自分の意識が飛ぶまえに日程を伝えておき、話をしながら性器に触る考えのようである。携帯ショップでの奈々の担当は三店舗あった。
素早くスタンドの明かりを消して野上が待っていると、奈々から電話があった。
野上はすぐに電話に出た。奈々はちょっと待ってと言って、声が途絶えている。微かに聞こえて来る様子では、性器に触っているのかも知れない。
「──聞こえる? 私、リビングから移動して、寝室にお布団敷いて、枕もとに野上さんの写真とスマホ置いて話してる……」
奈々はいままでリビングにいたのか、と野上には納得できた。ところが、奈々の声が途切れ途切れに聞こえて来るようになった。震えるような息の音もする。太ももを開いて性器に指を這わせながら、聴かれる恥ずかしさを我慢しているのだろうか。
「──あっ、いまの私、野上さんに聞かれてしまった? 私、恥ずかしいけれど我慢できなかった」
「恥ずかしくないよ。俺は奈々の息遣いを聞きながら自分の物を握ってる。それに俺も、布団は敷く派だよ」
野上は仰向けに寝て、硬くなった陰茎を握りそう言った。すると、奈々の息遣いが遠くに聞こえ、濡れた音が間近に迫って来た。スマホを性器に近づけたようである。
(──奈々はなんてけなげで、なんて可愛いんだ)