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恋人岬には噂があった
第3章 第3話 最終章
 奈々の髪が野上の股間にかぶさった。亀頭を咥え始めているのだ。口の中に亀頭が入ると、舌が絡んできた。ぞくぞくする快感が野上の頭を突き抜けていく。教えた通りに、強く吸いながら口で肉棒をねじるように、彼女の頭が上下に動き始めた。
「俺がイッても、止めてはだめ。俺がいいと言うまで強く吸い続けるんだ」
 だが、野上がそう言うと、奈々はフェラを止めて顔を上げた。彼女の眼は潤んでいる。
「イッた後で強く吸うと気持ちいいの?」
「うん、すごくいいんだ。奈々のお口は特別にいいから、まだまだいいと思う」
「嬉しい。いっぱい吸ってあげる。でも、お布団敷いて向こうでしてあげる。メール送った?」
「メールは送った」
「じゃあ、お布団敷くから早く教えて」

     (四)
 部屋は、カーペットを敷いた和室の六畳だった。クローゼットは壁に埋め込まれていた。そして鏡台。窓際の机には奈々が言っていたように、野上の若い頃の写真が飾ってあった。きれいに片づいた女の部屋だった。
 つい先ほど、野上の肉棒をしゃぶっていた奈々が、部屋の両サイドの肌色の明かりを浴びて、バスタオル姿でカーテンをすき間なく閉めている。
 野上には、その姿がセクシーに見えた。全裸で仰向けになって、股を開いていく姿も想像できた。
 奈々にフェラも仕込みたいが、野上はそれよりも性器を早く見たかった。彼女が振り向いたとき、声をかけた。
「布団敷くの手伝うよ」
「私、そういうの好き。二人でお布団敷いていると、どきどきしちゃいそう」
 奈々はバスタオルの胸のところを直しながらそう言った。
 押し入れからふわふわの敷き布団を取り出して、二人で敷き始めた。奈々は野上を見て、もうちょっと引っ張ってと言った。敷き布団には彼女のボディーソープの香りがしていた。
 手触りのいいシーツを敷き布団の上に広げた。奈々は四つん這いになってシーツを直している。
 野上も手伝い始めたが、目の前にはバスタオルを巻いた奈々の尻が動いている。野上は、これが俺の愛情表現なのだとバスタオルをめくった。あんっ、と声がして、奈々は尻から崩れてシーツの上に横向きに転がった。
 眼を潤ませている奈々が、長い枕を抱いてくすくす笑っている。今すぐ私を抱いてという表情にみえた。
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