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雨が好き
第111章 お祈り
普通に踏み込むと、意外なほどに加速するので、最初は慣れなかったけれども
少しお店の回りを走っていたら、感覚を掴むことができたみたいだった。

確かに、慣れると、ほんの少しの踏み込みでぐんぐん進むので、とても楽だった。

「お待たせしました」

蒼人さんが、自転車にスマホを装着すると、出発。
大きな道は、二人並んで、
細い道は蒼人さんが先、私が後、
そんなふうに、青空の軽井沢を自転車で駆け抜けていく。

途中で見つけた可愛らしいベーカリーでお昼を調達。
たまごサンドとか、塩パンとか、メロンパンとか・・・
蒼人さんはカツサンドもいいなって。
ついでにコーヒーとお水を二本ずつ。

荷物はリュックを背負っている蒼人さんにお願いしてしまう。
私は小さいショルダーバックだけの軽装だった。

「最初の目的地は、碓氷峠の見晴台です」
蒼人さんがぐん、と自転車を加速させる。

ここからは1時間くらいかかるということだった。
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