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雨が好き
第112章 桜の雨
ライトブラウンの外壁
尖った三角屋根のてっぺんには真っ白い十字架が据えられていた。
奥には鐘楼だろうか、もう少し高い鈍色の塔が佇んでいた。
「中に、入れるみたいです。ちょっと入ってみませんか?」
蒼人さんに手を取られて教会の扉を開く。
外よりもちょっとひんやりした感じがする。
内装も木造りで、左右に木のベンチが10台ばかり据えられている。
正面にある窓ガラスから後光のように光が差し、素朴なキリスト像を照らし出していた。
祈りの場所、という感じの
静かな、静かな空間だった。
蒼人さんが言うには、
この教会は、日本で最初にキリスト教式の結婚式が行われた場所、なんだそうだ。
キリスト像の前に神父様がいて
そこに新郎がいて
新婦が父親に腕を取られてゆっくりと歩いていく
そんな結婚式を、ここで?
「みなとさん」
ぼんやりとそんな事を考えていると、
蒼人さんがキリスト像の前で私のことを呼んでいるのに気づいた。
ここ、教会の真ん中の道、歩いていいのかなって思いながら、
キリスト像の前で待つ彼のもとに歩いていく。
なんだか、それはまるで、さっきまで頭の中でイメージしていた結婚式みたい・・・
そんなふうに考えていると、
頭の中で、新郎が蒼人さんに、
新婦が自分に置き換わる。
尖った三角屋根のてっぺんには真っ白い十字架が据えられていた。
奥には鐘楼だろうか、もう少し高い鈍色の塔が佇んでいた。
「中に、入れるみたいです。ちょっと入ってみませんか?」
蒼人さんに手を取られて教会の扉を開く。
外よりもちょっとひんやりした感じがする。
内装も木造りで、左右に木のベンチが10台ばかり据えられている。
正面にある窓ガラスから後光のように光が差し、素朴なキリスト像を照らし出していた。
祈りの場所、という感じの
静かな、静かな空間だった。
蒼人さんが言うには、
この教会は、日本で最初にキリスト教式の結婚式が行われた場所、なんだそうだ。
キリスト像の前に神父様がいて
そこに新郎がいて
新婦が父親に腕を取られてゆっくりと歩いていく
そんな結婚式を、ここで?
「みなとさん」
ぼんやりとそんな事を考えていると、
蒼人さんがキリスト像の前で私のことを呼んでいるのに気づいた。
ここ、教会の真ん中の道、歩いていいのかなって思いながら、
キリスト像の前で待つ彼のもとに歩いていく。
なんだか、それはまるで、さっきまで頭の中でイメージしていた結婚式みたい・・・
そんなふうに考えていると、
頭の中で、新郎が蒼人さんに、
新婦が自分に置き換わる。

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