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心の中のガラスは砕けて散った
第10章 奈緒
少し照明を落としたレストラン 悠希と向かい合い
食前に出されたシャンパン 小さなグラスを二人は
軽く合わせ 奈緒は笑みを浮かべた

「 お誕生日おめでとう 」

お酒に弱い 悠希はグラスを傾け 顏を顰めて
飲み干すと 奈緒に笑顔を向けて言った

「 あっという間に 30歳 おばさんと呼ばれるかしら 」

まだ幼さの残る顔 ショートヘアーで悠希に笑いかけ、
普段着の服装の時は何時も 20代前半に見られ
奈緒は、若い年齢を言われる度に もう少し老けたいと
甘え顔で悠希に愚痴を零していた

奈緒はグラスを飲み干してテーブルの脇に置き
音もなくウェイターが 二人のグラスをテーブルから
取り去り、係がスープをテーブルの上に置く

目の前のスープに スプーンを入れ
身体を少し悠希に近付けて

「 お誕生日のお祝い、嬉しいけど
  此処、高くない? 」

幼顔のショートヘアー 大きな目が嬉しそうに
悠希を覗き 小さく聞いた

「 大丈夫、この間 大きな取引を纏める事が
  出来て、そこの社長の紹介で いま商談中
  それが契約できると・・・・ 」
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