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性に堕ちたアイドルの365日
第31章 十七年前 店長候補とアイドル志望のJK 10
 「俺でいいなら、なってやろうかな。ちょっと思ったでしょ」敦子はうれしそうに訊いてくる。
 「どうかな」認めているようなものだ。
 「指輪してないから結婚してないよね。恋人いるの」いないと秋葉乃が即答すると「セフレは」否定されるのがわかった訊き方。
 「いないに等しい」
 「へぇ~」完全に否定しなかったことに敦子はかんがえたようだ。誰かがいるんだろうと。「その人とはどれくらいの感覚で逢ってるの」
 「もう十年以上になる。逢うのは相手からの連絡があったときだけだから一年に一回とか半年に一回とか二週つづけて逢うとかそんな感じ」自分の話を晒す。てきとうにお茶を濁してもいいけど秋葉乃は敦子のカレシの話を訊いた。だから正直にいう。
 「なんで店長から連絡しないの」
 「相手は人妻だから」好奇心に満ち溢れた敦子の顔。
 「どうやってしりあったか訊いていい」
 「おなじ店でいっしょにアルバイトをしていた。カノジョのことは結婚する前からしっている」
 「つきあってたの」
 「それはない。カレシの愚痴訊いたりしていて、それで今もつづいてるのかな。今年は、まだ逢ってないな」嘘みたいな話だろといえば噓にしか聞こえないが事実だ。
 「なんで自分から連絡しないの」
 「わすれた頃に連絡がある。それでいいんだよ。そういう関係だから。相手は人妻だし」秋葉乃の本音だ。
 「ワタシとそういう関係になろうよ」
 「食事したりデートしたりドライブしたり。そんな関係じゃないよ」セフレは大人の関係なんだと暗にいったつもりだが。
 「それがセフレでしょ」秋葉乃が立ち上がる。敦子の身体がビクッとした。秋葉乃は気にせずベッドに腰かけた敦子の隣にすわり。
 「本気にしていいのか」眼を見ていった。いい歳してなに興奮してるの。ちょっと待ってよ本気にしたの。ありえない。店長もほかのアルバイトした店の人でセクハラ男なんだね。キモ。そういわれるのを覚悟した。
 「ワタシは、はじめから本気だよ。本気じゃないのにこんなこというと思う。本気じゃないのにホテルに来ると思う」そのとおりだ。秋葉乃は敦子の身体に手を廻す。敦子はまたビクッとしたが秋葉乃の身体にしなだれ。「はじめてみたいなものだからやさしくしてよ」といった。その瞬間すぐに唇が重なった。
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