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コンビニバイトの男の子
第8章 密談
玄関前で気持ちを落ち着かせるために何度か深呼吸して、貴之はドアを開けた。
「ただいま」
「おかえりなさい」
いつもは玄関まで出迎える萩子が、今夜はリビングに続くドアから顔を覗かせただけで応対した。
「貴之さん、返信できなくてごめんなさい。焼き菓子作るのと片付けに、時間がかかってしまって。それに、まだ夕食もできてなくて・・・」
「構わないよ。焼き菓子作ってくれたんだね。ありがとう」
不安を隠すように早口で返事して、着替えるために寝室に入った。
(もし、2人がしていたとしたら、ここで・・・)
すぐに、部屋が暖かいことに気が付いた。萩子のベッドに近付いて布団を捲った。冬の時期は数日使うシーツが1日で交換されていた。
(き、きっと、夕方汚れているのに気が付いて替えたんだろう。暖房もその時に・・・)
自分に都合のいい言い訳を考え無理矢理納得して布団を戻し、部屋着に着替えた。
このまま書斎に行って、すぐに隠し撮り映像を確認したい衝動に駆られたが、同時に事実を知らされることへの恐怖も湧き上がり、結局は悶々としながらリビングに入った。
夕食の用意の手伝いを申し出たが断られたため、ソファに座って新聞を読むふりをしながら、忙しく動く萩子を盗み見した。いつものように話しかけてくることも無く、なんとなく普段よりよそよそしく感じられた。
(食事の用意を急いでいるからだよな)
「有り合わせの冷凍食品のおかずで、ほんとにごめんなさい」
テーブルに夕食を並べながら、萩子は再び謝った。
「いいよ、いいよ。それより、焼き菓子って簡単にできると思って頼んだんだけど、時間掛かるんだね。こっちこそ、ごめん」
貴之がそう返事すると、更に恐縮したように、
「ご、ごめんなさい」
と謝った。貴之は、その謝罪が夕食のことだけではないように感じた。
(やっぱり、シュウは彼と・・・)
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