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コンビニバイトの男の子
第8章 密談

食事中、テーブルの対面に座って黙々と食事をする萩子を改めて観察すると、少し疲れているように見えた。
食後、
「たまには片付け、手伝うよ」
「私がしますから、いいですよ」
「焼き菓子で迷惑かけたし。いいから、いいから」
というやり取りで渋る萩子を説き伏せ、久しぶりに一緒に夕食後の片付けをした。
最近は減ってしまったが、使い勝手に拘って決めたキッチンに立って片付けをしながら、一日の出来事を話すことが、2人にとってお気に入りの時間だった。しかしその日の萩子は、話し掛けても言葉少なだった。物理的にも、貴之と距離を取ろうとしていた。
食器の片付けが終わり、シンクに溜まった生ゴミをゴミ箱に捨てようとしたときに、突然萩子に遮られた。
「た、貴之さん!生ゴミは私が捨てますから!」
それまでのおどおどした感じからは一転した大きな声で、貴之は驚いた。
「びっくりした。捨てちゃ駄目なの?」
「えーっと、そう、水を切ってから捨てるようにしてるから」
「そうなんだ」
(この前の時は、そんな話無かった)
昨日までの萩子との違いに気付く度に、今日その変化を起こす決定的な出来事があったという確信に近付いていった。ゴミ箱の中に、その動かぬ証拠がある気がした。
(いや、決めるのは映像を見てからだ!)
食後、
「たまには片付け、手伝うよ」
「私がしますから、いいですよ」
「焼き菓子で迷惑かけたし。いいから、いいから」
というやり取りで渋る萩子を説き伏せ、久しぶりに一緒に夕食後の片付けをした。
最近は減ってしまったが、使い勝手に拘って決めたキッチンに立って片付けをしながら、一日の出来事を話すことが、2人にとってお気に入りの時間だった。しかしその日の萩子は、話し掛けても言葉少なだった。物理的にも、貴之と距離を取ろうとしていた。
食器の片付けが終わり、シンクに溜まった生ゴミをゴミ箱に捨てようとしたときに、突然萩子に遮られた。
「た、貴之さん!生ゴミは私が捨てますから!」
それまでのおどおどした感じからは一転した大きな声で、貴之は驚いた。
「びっくりした。捨てちゃ駄目なの?」
「えーっと、そう、水を切ってから捨てるようにしてるから」
「そうなんだ」
(この前の時は、そんな話無かった)
昨日までの萩子との違いに気付く度に、今日その変化を起こす決定的な出来事があったという確信に近付いていった。ゴミ箱の中に、その動かぬ証拠がある気がした。
(いや、決めるのは映像を見てからだ!)

