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コンビニバイトの男の子
第10章 耽溺
「これも、もういいか」
先程見返していた、かつて萩子にとって特別だった女性誌を、他の不要な雑誌の間に挟みます。無造作に扱う動作に、名残惜しさは微塵も見られません。
萩子は立ち上がると、残す雑誌を空になった抽斗に仕舞います。
「そうだ。ついでにこっちも・・・」
別の飾り棚の抽斗から、基礎体温を記録していたノートを取り出しました。ゴールデンウィーク後からきっちり記録していましたが、生理周期が安定していることを知ってから徐々に記録が抜ける日が増え始め、ピルを服用してからは毎朝の検温に面倒くささが芽生えて滞っています。
「貴之さんに見られて、変に詮索されたり期待されても困るしね」
ノートもまとめた不要な雑誌に紛れ込ませると、紐で束ねて勝手口に積み上げました。
「んーっ」
両手を組んで背伸びをします。
「あっ、これ」
左手薬指の結婚指輪に気付いて、外しました。最近は、悠希が訪問している間は指輪をしないのを決め事にしています。その外す日も、外している時間も増えてきているのを自覚していました。
薬指から抜いた結婚指輪を掌に乗せて弄びます。
(封印が解かれているって思うと、自分を解放できるのよね)
そんなことを考えながら、外した結婚指輪をキッチンのテーブルに無造作に置きました。
(もうそろそろかな)
掛け時計で時刻を確認します。
悠希がキャンパスからここまで来る時間は把握していましたが、それでも待ち遠しくなります。
玄関に移動してドアの鍵を開けました。姿見でポニーテールを結び直します。一度その髪型を見てから悠希が気に入ったため、最近はほぼポニーテールにしていました。
暖かだったリビングと比べて玄関は寒々としていますが、早く逢いたくてその場に留まります。
前回の逢瀬は先週末で、コンビニのバイトの時間が早まったため短時間で終わってしまい、躰に不満が残ったまま週末を過ごしていました。
先程見返していた、かつて萩子にとって特別だった女性誌を、他の不要な雑誌の間に挟みます。無造作に扱う動作に、名残惜しさは微塵も見られません。
萩子は立ち上がると、残す雑誌を空になった抽斗に仕舞います。
「そうだ。ついでにこっちも・・・」
別の飾り棚の抽斗から、基礎体温を記録していたノートを取り出しました。ゴールデンウィーク後からきっちり記録していましたが、生理周期が安定していることを知ってから徐々に記録が抜ける日が増え始め、ピルを服用してからは毎朝の検温に面倒くささが芽生えて滞っています。
「貴之さんに見られて、変に詮索されたり期待されても困るしね」
ノートもまとめた不要な雑誌に紛れ込ませると、紐で束ねて勝手口に積み上げました。
「んーっ」
両手を組んで背伸びをします。
「あっ、これ」
左手薬指の結婚指輪に気付いて、外しました。最近は、悠希が訪問している間は指輪をしないのを決め事にしています。その外す日も、外している時間も増えてきているのを自覚していました。
薬指から抜いた結婚指輪を掌に乗せて弄びます。
(封印が解かれているって思うと、自分を解放できるのよね)
そんなことを考えながら、外した結婚指輪をキッチンのテーブルに無造作に置きました。
(もうそろそろかな)
掛け時計で時刻を確認します。
悠希がキャンパスからここまで来る時間は把握していましたが、それでも待ち遠しくなります。
玄関に移動してドアの鍵を開けました。姿見でポニーテールを結び直します。一度その髪型を見てから悠希が気に入ったため、最近はほぼポニーテールにしていました。
暖かだったリビングと比べて玄関は寒々としていますが、早く逢いたくてその場に留まります。
前回の逢瀬は先週末で、コンビニのバイトの時間が早まったため短時間で終わってしまい、躰に不満が残ったまま週末を過ごしていました。

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