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感情の欠片
第1章 過去
他人とのコミュニケーションは、私にとって感情表現を学ぶためのものに過ぎなかった。
悲しいと判断すれば泣く。
楽しいと判断すれば笑えばいい。
まるでロボットのような仕組みだと自分でも思うけれど、それが私にとっての関わり方だった。

そうやって積極的に人と交流してみると、いつの間にか友達と呼べる存在ができた。
カズミという女の子だ。
彼女は表情が豊かで、私には最高の教材だった。

笑顔の多いカズミは、とにかく男の子にモテた。
その事実は私にとって必要のない情報だったけれど、そこから一つのことを学んだ。
笑顔が多い女の子は、人に好かれやすいのだと。
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