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第33章 決戦は金曜日

「そうか。でも、アダルト動画を見てわかったことがある。それは、俺にはアダルト動画のようなSEXはできないということ。性格的にも、健康上も。実雅子は、健康的だし、SEXを楽しめた方がいいと思う」

と、話す義隆。

「別に、アダルト動画、みたいな、エッチでなくても、今まで通りでいいのよ」

実雅子が義隆の目を見つめながら話した。

「でも、俺とのSEXで実雅子は感じたことはあるのか？」

と、聞く義隆。

　　　　感じる？
　　　　確かに、義隆が見ていた
　　　　アダルト動画の女性は
　　　　大きな声で叫び、
　　　　白目を剥いて、
　　　　涎を垂らして、
　　　　凄い形相だった。

思い出して、

　　　　アレが感じると
　　　　いうことなの？
　　　　そんなことは・・・。
　　　　そういえば、
　　　　どのアダルト動画
　　　　だったかしら
　　　　女性が恥ずかし気に
　　　　でも、気持ちよさそうに
　　　　顔を赤らめながら
　　　　微かに声を漏らす
　　　　シーンの表情が
　　　　羨ましいほどに綺麗で、
　　　　引き込まれた。
　　　　わたしには、
　　　　あんな体験は・・・。
　　　　なんというタイトル
　　　　だったかしら？
　　　　『嫁の同意をとって
　　　　寝取らせた話』
　　　　だったわ・・・。
　　　　って、それって
　　　　今の状況に近いわね。
　　　　あとは、夫が・・・。
　　　　そう、翔太くんに・・・。
　　　　でも、夫とのSEXでも
　　　　わたしは充分なのに・・・。

「よくわからないけど、あなたとのエッチだけで、充分よ」

と、答えた実雅子。

「その俺とのSEXですら、いつまでできるか。今日は、何とかするけど。それでも、できるSEXは限られている。せっかく生まれてきて、健康体なのに、俺と結婚したばかりに、満足にSEXもできないで、老いさらばえさせるわけにはいかない。そんなことになったら、俺は・・・」

と、目に涙をためる義隆。

「そんなこと、気にしなくても・・・」

　　　　そこまで
　　　　思い詰めるなんて。
　　　　夫にここまで思われて、
　　　　幸せ・・・。
　　　　なのに、わたしは
　　　　夫を裏切るの・・・。
　　　　夫が許可をしたとしても。

苦悩の色が実雅子の表情に落ちた。