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第33章 決戦は金曜日

合わせた唇。ここからは今までは、実雅子が舌を義隆の中に入れていき、舌を絡めて、それに義隆が応じるという流れだった・・・。

義隆は結婚当初、それを嫌がった。いや、そもそも、実雅子の積極性を苦にしていた。しかし、いつか、それを受け入れるようになっていった。そして、たまには、舌を入れ返すようにもなっていった。

その程度のはずの義隆が、このときは、あえて、自ら動いた。実雅子が唇を吸うより先に、実雅子の唇を吸い、先に、舌を挿し入れてきた。目を瞑っていても、その瞼が震え、驚いた実雅子。

　　　　夫が、
　　　　こんな積極的に
　　　　なるなんて。
　　　　今日の夫は、
　　　　今までと違う。

そう思った実雅子。乳房を掴む義隆の手。もう一方の手が、陰毛を撫でた。

　　　　こ、こんなの
　　　　初めて・・・。
　　　　もしかして、
　　　　アダルト動画を
　　　　見よう見まねで

実雅子の想像は当たっていた。

　　　　実雅子を誰かに
　　　　委ねるとしても、
　　　　俺の妻だ。
　　　　俺が妻のすべてを
　　　　知る権利がある。
　　　　俺が初めに
　　　　実雅子のすべてを
　　　　知るんだ。
　　　　すべてを・・・。
　　　　今日は、できる限り
　　　　最善を尽くす。
　　　　アダルト動画で
　　　　知ったばかりの
　　　　付け焼き刃だとしても。
　　　　二度と、SEXできない
　　　　身体になろうと、
　　　　実雅子に俺の記憶を
　　　　刻む。
　　　　そして、俺は、
　　　　実雅子を記憶に
　　　　刻む。

義隆は、その覚悟で、ことに臨んでいた。ある意味、悲愴な覚悟でもあった。