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第33章 決戦は金曜日

こういう場合、無言は肯定を意味するのはいつの時代も同じ。義隆も、そう捉えた。

「たぶん、女として生まれて、それを経験しないのは、人生における大きな損失だと思う。しかし、俺がそれを実雅子に与えてやることはできそうにない」

義隆が話した。フッと自嘲した義隆。

「それ以前に、まともにSEXもできそうにないが・・・。だからといって、今日みたいに、実雅子の言葉を深読みしたというか、イチイチ気にしていたら、俺もお前もやっていけないだろ。俺は、お前と夫婦をやめるつもりはない。俺にとって、お前とのこの家での時間はオアシスだから。俺にはお前が必要なんだ。でも、お前にとって、俺は何なのか？と考えたら、不必要な存在なのかもしれない・・・」

と、苦笑いする義隆。

「そ、そんなことはないわ」

と、慌てて否定する実雅子。

「そうかな。この身体とSEXどころか、一緒にゴルフコースを回ることも難しい。いや、ゴルフ練習場で一緒に練習することも難しい・・・。俺は思うんだ。俺がお前の全てを独占することは、お前にとって不幸になる。俺が一緒にできないところは、アウトソーシングしていこうと思う。で、なければ、そのうち、お前は俺の全てを嫌うようになる。それは、俺には耐えられない。まして、お前を失いたくはないから」

義隆が実雅子を見つめて話した。

　　　　　愛は、SEXだけじゃない。
　　　　　頭ではわかっているつもり。
　　　　　でも、SEXのない愛って・・・。
　　　　　他の男に妻が抱かれて、
　　　　　SEXしても、嫉妬しないで
　　　　　許諾するって・・・。
　　　　　愛していたらできることなの？

　　　　　それはそれとして、
　　　　　わたしはそれでいいの？
　　　　　夫がいる身で、
　　　　　他の男とSEXできる？
　　　　　夫が許してくれるからといって

　　　　　アダルト動画の世界ではあるとしても
　　　　　実社会であるの？
　　　　　『ママ活』という言葉があることは
　　　　　知ってはいるけど・・・。
　　　　　それも、ネット上のこと。
　　　　　実際にあるのやら・・・。

　　　　　でも、このまま、セックスレス？
　　　　　エクスタシー・・・。
　　　　　『イク』という感覚・・・。

アダルト動画の女性たちの表情を思い出して、

　　　　　『イク』を味わってみたい。