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第35章 M開眼

そう。同級生だった成瀬が『おい、呼んでるぞ』と、俺に言った。あのときの、面白半分、揶揄うようなの成瀬の声と顔も思い出した。

　　　　　そうか。
　　　　　だから、あんなに
　　　　　着飾っていたのか。
　　　　　制服がない○○女学院中学だったから、
　　　　　制服っぽい服を着て
　　　　　真っ白のブラウスに、
　　　　　ギンガムチェックか何かの柄の
　　　　　フレアの水色のミニスカート・・・。

「大阪○○学院中学の校門を出たところで、俺を呼んだときか・・・」

佐川の声が震えた。実雅子の顔を見ることができない佐川。

「うん」

と、だけ答えた実雅子。

「中学生だろ」

なんとか、それだけを声に出せた佐川。

「そう。でもね。〇学園でも一緒だった中村さん、覚えている？」

と、聞く実雅子。突拍子もない名前に驚く佐川。でも、覚えていたから、頷いた。

「あの子、わたしと一緒の○○女学院中学だったのよ。あの子が『佐川に会いに行ってやりなよ。〇中学が不合格で、大阪○○学院中学に行って、落ち込んでいるらしいから』って言っていたの。そうなんだって思ったわ。だから『会いに行く』って話したら、『それがいいわ。どうせなら、元気づけてやりなよ』ってあの子が言って。『元気づける？』と聞いたら、『エッチして』と笑ったわ。『何を言っているの？』って、わたしは真に受けなかったけど、あの子が『佐川くんが落ち込んでいる理由って、〇中学を落ちたからだけじゃないのよ。〇中学を合格したら、あなたと付き合うことになっていたんでしょ？それが不合格だったからご破算になって』と言っていたわ。それは、わたしも気になっていたし、でも、あの子が言ったの。『佐川って、〇中学に合格して、あんたと付き合って、エッチする気満々だったみたい。でも、不合格で、エッチもできなくなって、落ち込んでいるんだって』って言っていて、『付き合ってやりなよ。あんたも佐川、好きなんだよね？』と、言われて。考えたわ。考えた結果、出た答えは、『好き』だった。一緒にデートしたかったし、翔太くんが不合格と、エッチができなくて、落ち込んでいるんだったら、エッチしてもいいって思ったの。あの子が言っていたわ。『大阪○○学院中学の近くにはホテルがあるから、そこでエッチできる』って。だから、その気になって行ったのよ」

と、顔を赤らめて話す実雅子。