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誰にも言えない、紗也香先生
第6章 アリス

私の唇に、まだ少し残っていたチョコの甘さ。
それをリザがそっと吸い取るように舌でさらい、
自分の口で、もう一度──私に返してくる。
その舌先は、まるでチョコ味のマシュマロ。
柔らかく、とろけて、私の中にゆっくりと広がっていった。
彼女の手のひらに包まれていた、
私の胸がわずかに脈打つたび、
彼女が囁く。
「本番のお菓子は、こっちね」
──だめ、そんなの。
メイドの前で、そんなの……
でも、私の中のどこかが答えていた。
「場所を変えれば、いいよ」
リザは黙って、微笑んだ。
その時だった。
静かに扉の奥からアリスが戻ってきた。
その腕に抱かれていたのは、一足の──
ラテックス製のサイハイブーツ。
色は、深く沈んだダークチョコレート。
光が触れるたび、濡れたような光沢が浮かび上がり、
その艶は、夜の吐息のようにしっとりとした官能を漂わせていた。
ブーツは、足首から太ももまでをなめらかに包み込み、
まるで“触れられたくて仕方がない”肌のように、
わずかな風すらも吸い込んでしまいそうな質感。
だが──そこに、ある違和感があった。
足首の外側、そして太ももの裏。
布の継ぎ目にさりげなく埋め込まれていたのは、
小さな金属のリング。
艶消しの銀が、布の中に埋もれるように静かに光っている。
飾りとは思えなかった。
誰かの手が、そこに「何かを通す」ためにあるような場所。
見せるためではなく、「縛る」ための機能が、ブーツの一部になっている。
思わず喉が鳴った。
この靴を履くことは、ただの装いではない。
それは、ひそやかな“契約”のような感覚。
それをリザがそっと吸い取るように舌でさらい、
自分の口で、もう一度──私に返してくる。
その舌先は、まるでチョコ味のマシュマロ。
柔らかく、とろけて、私の中にゆっくりと広がっていった。
彼女の手のひらに包まれていた、
私の胸がわずかに脈打つたび、
彼女が囁く。
「本番のお菓子は、こっちね」
──だめ、そんなの。
メイドの前で、そんなの……
でも、私の中のどこかが答えていた。
「場所を変えれば、いいよ」
リザは黙って、微笑んだ。
その時だった。
静かに扉の奥からアリスが戻ってきた。
その腕に抱かれていたのは、一足の──
ラテックス製のサイハイブーツ。
色は、深く沈んだダークチョコレート。
光が触れるたび、濡れたような光沢が浮かび上がり、
その艶は、夜の吐息のようにしっとりとした官能を漂わせていた。
ブーツは、足首から太ももまでをなめらかに包み込み、
まるで“触れられたくて仕方がない”肌のように、
わずかな風すらも吸い込んでしまいそうな質感。
だが──そこに、ある違和感があった。
足首の外側、そして太ももの裏。
布の継ぎ目にさりげなく埋め込まれていたのは、
小さな金属のリング。
艶消しの銀が、布の中に埋もれるように静かに光っている。
飾りとは思えなかった。
誰かの手が、そこに「何かを通す」ためにあるような場所。
見せるためではなく、「縛る」ための機能が、ブーツの一部になっている。
思わず喉が鳴った。
この靴を履くことは、ただの装いではない。
それは、ひそやかな“契約”のような感覚。

