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誰にも言えない、紗也香先生
第8章 審判不在
「リザ様っ、サヤ様……はぁ、んっ……っ」
顔を赤くしながら、アリスが懸命に言葉を繋げる。
「こ、これは……完全な、レッドカード……退場、です……っ」
アリスは四つん這いの姿勢のまま、白いオーバーニーだけを残した、儚くも美しい裸体を晒していた。
背筋は小刻みに震え、恥じらいと熱の入り混じった吐息が、静かな部屋の空気を艶やかに揺らしている。

「ほら、アリスのソコ、とっても素直になってる」
リザが囁くように言った。
そしてその“ソコ”には——

一本の「双頭の花」が挿されていた。
その片方は、まっすぐアリスの奥へと迎え入れられ、
もう片方を、リザと私はふたりでそっと、しっかりと手のひらで包み込むように握っていた。

「ねえ、見て、今……アリスと私たち、繋がってるんだよ」
私が囁くと、アリスの背中がびくりと震える。
「や……そんなこと、言わないで……っ」

けれど拒絶の言葉とは裏腹に、アリスの秘口はまるで応えるように、
わずかに震えながら、その器具をぬくもりごと包みこんでいた。

リザと私が握るもう一端に伝わる、やわらかな熱と、湿った律動。
それはまるで——彼女の中の感情が、私たちの指先にまで伝わってくるかのようだった。

「これが……“審判”の報いだね」
リザがくすりと笑うと、私たちはそっとその端を押し返した。
花と花の境界が、まるで一つの命のように脈打つ。

「……ずるい、です……おふたりとも……っ」
アリスの声は、まるで溶けかけた雪のように柔らかく、
けれどそこには、確かに悦びの色が滲んでいた。
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